納戸とはどんな部屋?居室との違いやメリット・デメリット・使い方を解説
建築基準法上の「居室」の定義を満たしていない部屋を「納戸」と呼びます。
間取り図を見ながら、「納戸とはどんな部屋?」「居室とはどう違う?」と疑問を持つ方も多いでしょう。
納戸は収納以外にもさまざまな使い方があり、ライフスタイルに合わせて活用できます。
ただし、納戸の特徴や必要な広さを知らないまま家づくりを進めると、後悔する可能性もあるので注意が必要です。
そこでこの記事では、納戸の特徴や普通の部屋との違いを解説します。
納戸を取り入れるメリット・デメリットについても紹介するので、参考にしてください。
目次
納戸とは?普通の部屋との違いを解説
納戸とは、建築基準法の「居室」の条件を満たしていない部屋のことです。
建築基準法第28条では、床面積に対して原則1/7以上の採光ができる窓その他の開口部を設けた部屋を「居室」としています。
つまり、一定量の採光ができない部屋や窓がない部屋は「納戸」と呼び、居室としては認められません。
間取り図上での居室と納戸の表記は、以下の通りです。
分類 | 表記 |
居室 |
|
納戸 |
|
間取り図では、「3SLDK」や「3LDK+S」などと表記されます。
なお、洋風の戸建てやマンションの間取り図などでは納戸を「サービスルーム」と表記するケースが多いので、納戸と同義語であることを覚えておきましょう。
引用元:e-Gov法令検索|建築基準法第28条
納戸の広さは何畳が一般的?
納戸の広さは2〜3帖が一般的ではあるものの、賃貸・分譲マンションなどにおいては6帖前後のまとまった広さが確保されている場合もあります。
どの程度の広さが必要になるかは、家族構成・収納したいアイテム・納戸の使い方によっても異なるので注意が必要です。
例えば、リモートワーク用にワークスペースとして利用する場合には、3帖以上あると使い勝手もよくなるでしょう。
収納スペースとして使うのであれば、納戸が狭すぎると荷物を十分に収納できずに居室が散らかる可能性があるので、目的に合わせたサイズ選びが重要です。
納戸は必要なのか
収納量の確保が家づくりの優先順位において重要な位置であれば、納戸の必要性は高まります。
収納を充実させたい場合には、クローゼットやパントリーを充実させるのも方法の1つです。
広さにもよりますが、クローゼットにはスーツケース、パントリーには家電などの大きなアイテムを収納できます。
また、クローゼットやパントリーは、寝室やキッチンの近くに配置できるため、家事効率のアップにつながるのもメリットです。
パントリーについて詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】パントリーとは?メリット・デメリットと家事動線の優れた間取り実例を解説
納戸を取り入れるメリット・デメリット
納戸を取り入れるメリット・デメリットの両方を解説します。
生活をスタートさせてから「納戸を有効活用できなかった」と後悔しないためにも、デメリットも踏まえて検討しましょう。
納戸を取り入れるメリット
納戸を取り入れるメリットは、以下の通りです。
- 収納スペースを確保できる
- サイズの大きなアイテムを収納できる
- 日光を避けて保管できる
- 収納以外の使い道が豊富にある
納戸を収納スペースとして利用する場合は、大きさを問わずさまざまなアイテムを収納できるため、居室の整理整頓がしやすくなります。
旅行グッズやアウトドアグッズなど、特に大きなアイテムを収納できることから、部屋をすっきりさせやすいのがメリットです。
また、日光が当たりにくいので、日焼けなどを気にせずにアイテムを保管できます。
納戸は収納以外の使い道が豊富にあり、ライフスタイルやライフステージに合わせて使えるのも嬉しいポイントです。
アイディア次第では、勉強・仕事・趣味などに取り組むスペースとして利用できるでしょう。
納戸を取り入れるデメリット
納戸を取り入れるデメリットは、以下の通りです。
- 換気や採光がしづらい
- 長時間過ごすのには不向き
- 活用しきれない場合がある
- 居室が狭くなる可能性がある
窓が小さかったり、なかったりするため、換気がしにくく湿気が溜まりやすくなります。
さらに、採光を確保しづらいことからカビや虫が発生しやすく、除湿するためにサーキュレーターや換気扇などを設置する対策が必須です。
換気がしづらいことから長時間過ごすのは不向きで、リモートワークなどに利用したい場合には、換気対策や電源確保が必要になります。
パントリー・ファミリークローゼット・土間収納が充実した家の場合、納戸は不要なケースが多く、収納したいアイテムなどを精査することが重要です。
納戸のスペースを広くとった間取りは、生活するための居室が狭くなる可能性があるので、全体のバランスをチェックしましょう。
ファミリークローゼットについて理解を深めたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】ファミリークローゼットの間取り実例3選!メリット・デメリットも解説
納戸の使い方
納戸の使い方は、以下の3つです。
- 直射日光を避けたい物の収納スペース
- 子どもの遊び場
- 書斎やワークスペース
納戸を取り入れた間取りを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
使い方①:直射日光を避けたい物の収納スペース
納戸は窓が小さく日が当たりにくいことから、直射日光を避けたい物の収納スペースとして最適です。
直射日光を避けたいアイテムの例は、以下の通りです。
- 書籍
- CD
- 食品
その他にも、以下のアイテムも収納できます。
- 衣類・布団
- スポーツ用品
- アウトドアグッズ
- 旅行グッズ
- 趣味のアイテム
衣類を収納したいのであればハンガーパイプを設置するなど、保管するアイテムに合わせた棚やツールを取り付けましょう。
ただし、カビや虫を発生させないためには、換気扇を設置したりドアを開けたりして、換気対策をする必要があります。
使い方②:子どもの遊び場
納戸の広さによっては、子どもの遊び場としても利用できます。
納戸を子どもの遊び場とする場合のポイントは、以下の通りです。
- ラグやプレイマットを敷く
- 収納を設ける
- 家事をしながら見守りやすい間取りかどうかチェックする
- 子どもが成長したあとの使い方を決めておく
子どもがケガしにくい環境を整えるために、ラグやプレイマットを敷きましょう。
収納を設けるとおもちゃや絵本などを整理整頓しやすく、ものであふれる心配もありません。
納戸がキッチンやリビングに近い間取りであれば、家事をしながら子どもを見守れるので安心して生活できます。
また、子どもが成長したあとの使い方を決めておくと、スペースを有効活用することが可能です。
使い方③:書斎やワークスペース
収納やデスクがあれば、書斎やワークスペースにもなります。
書斎やワークスペースとして利用する場合には、以下の設備を整えましょう。
- 書棚
- 収納スペース
- 照明
- 電源
- 換気システム
- 机・イス
書棚や収納スペースがないと、仕事道具や雑誌・書籍が散乱してしまうので注意が必要です。
電子機器の使用には電源が必要なので、事前に設置しておくとストレスがありません。
照明や換気システムを取り入れておけば、快適な環境で仕事に取り組めます。
アサヒグローバルホームでは、納戸を取り入れた物件も含めて、注文住宅と変わらない建売住宅を販売しています。どのような家づくりをしているか知りたい方は、アサヒグローバルホームの特徴をご覧ください。
納戸を取り入れた間取り実例
この家では2階に納戸を取り入れており、注目ポイントは以下の通りです。
- 各居室に近く家族みんなで利用できる
- オフシーズンの衣類などを収納しやすい
納戸は子ども部屋と主寝室の間にあり、各居室に近いため家族みんなで利用できます。
また、各居室のクローゼットからオフシーズンの衣類や布団などを運びやすく、衣替えをしやすいのもメリットです。
この家では納戸をはじめとして、土間収納・クローゼット・階段下収納などがあり、収納が充実しています。
「収納スペースが足りなくて部屋が散らかる」などのストレスもなく、すっきりとした気分で生活できます。
まとめ:納戸を取り入れて機能的なマイホームを実現
「納戸」とは、十分な日当たりを確保できないなど、建築基準法上の「居室」の定義を満たしていない部屋のことです。
納戸はサービスルームとも呼ばれ、間取り図では「3SLDK」や「3LDK+S」などと表記されます。
納戸は書斎やワークスペースなどに利用でき、使い道が広いメリットがある一方で、湿気がこもりやすいなどのデメリットもあるので気をつけましょう。
納戸を取り入れた間取りをはじめとして、アサヒグローバルホームではさまざまな物件を提供しています。物件をもっと見たい方は、物件を探すをご覧ください。
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この記事の監修
足立 克久
2005年アサヒグローバルホーム入社
入社後、宅建士、建築士などの資格を取得。
その知識を生かし、分譲住宅、注文住宅の契約を300棟以上担当。
現在は東海三県の土地仕入れ、分譲住宅の開発に携わりながら住宅を販売している。