コンパクトな平屋の定義とは?価格目安や老後も暮らしやすい間取り例を解説
シンプルな暮らしを求めて、「コンパクトな平屋に住みたい」と考える方も多いでしょう。
生活動線や家事動線をまとめやすいコンパクトな平屋は、年代を問わず人気を集めています。
しかし、広さや価格の目安を把握せずコンパクトな平屋に決めると、「狭くて生活しづらい」と後悔を感じる可能性もあるので注意が必要です。
そこでこの記事では、コンパクトな平屋の定義やメリット・デメリットについて解説します。
老後も安心して暮らせる間取り例も紹介するので、家づくりの参考にしてください。
目次
コンパクトな平屋の定義
コンパクトな平屋の定義を、以下の点から解説します。
- 延床面積の目安
- 価格の目安
ご自身の家族構成や予算と照らし合わせながら、それぞれの内容をチェックしましょう。
延床面積の目安
コンパクトな平屋とは一般的に延床面積が約30坪以下の平屋を指し、30坪以下の一戸建てはコンパクトハウスとも呼ばれています。
国土交通省によると、30坪以下の一戸建てにおける世帯人数の目安は以下の通りです。
世帯人数 | 居住面積水準 |
1人 | 12.1〜16.6坪 |
2人 | 16.6〜22.7坪 |
3人 | 22.7〜30.3坪 |
4人 | 28.7〜37.8坪 |
上記のように、コンパクトな平屋における世帯人数の目安は1〜4人となります。
家族が5人以上の場合、窮屈さを感じる可能性が高いため、コンパクトな平屋は避けるのが無難です。
ただし、介護を前提にバリアフリー化する際は、寝室やトイレなどのスペースを広く設計するため、水準以上の面積を必要とします。
なお、世帯人数が1〜2人であれば1LDK、3〜4人であれば2〜3LDKが最適な間取りとされているので、世帯人数やライフスタイルに合わせて選択しましょう。
引用元:国土交通省|令和3年住生活基本計画(全国計画)
価格の目安
建築費用を表す坪単価は住宅会社によって異なりますが、コンパクトな平屋の価格目安は1,500万〜2,500万円です。
世帯人数別に、価格の目安をチェックしてみましょう。
坪単価の全国平均は約85万円であり、平均値を用いて世帯別に計算すると以下の通りです。
世帯人数 | 居住面積水準 | 建築費用 |
1人 | 12.1〜16.6坪 | 1,028.5万〜1,411万円 |
2人 | 16.6〜22.7坪 | 1,411万〜1,929.5万円 |
3人 | 22.7〜30.3坪 | 1,929.5万〜2,575.5万円 |
4人 | 28.7〜37.8坪 | 2,575.5万〜3,213万円 |
価格目安は1,500万〜2,500万円となりますが、4人家族の場合には3,000万円を超える可能性もあります。
また、世帯人数のほかにも、建材・設備のグレードなどの条件によっても価格が変わるので、上記の費用はあくまで目安として参考にしてください。
引用元:土地代データ|日本全国2024年[令和6年]公示地価
コンパクトな平屋で暮らすメリット
コンパクトな平屋で暮らすメリットは、以下の3つです。
- ランニングコストを抑えられる
- 動線がコンパクトにまとまっている
- 税金の軽減措置が適用される
コンパクトな平屋を建てるなら、メリットを最大限に活用しましょう。
メリット①:ランニングコストを抑えられる
コンパクトな平屋は二階建てなどと比べて建物が小さく、ランニングコストを抑えられるのが魅力です。
例えば、コンパクトな平屋では以下のランニングコストを減らせます。
- 光熱費
- メンテナンス費
- 修繕費
コンパクトな平屋は各部屋のスペースが広すぎず冷暖房効率が高いため、光熱費を削減しやすいのが特徴です。
また、外壁や内装の面積が最小限であることから、リフォーム時にも施工する面積が小さく済み、メンテナンス費や修繕費を抑えられます。
さらに工事をする際に原則足場を組む必要がないので、費用がかさみにくいのもメリットです。
メリット②:動線がコンパクトにまとまっている
コンパクトな平屋では部屋同士が近く、生活動線と家事動線の両方をシンプルにまとめやすいため、効率よく生活できます。
住宅内をスムーズに移動できるのはもちろん、掃除する範囲が少なかったり、家事動線が短くなったりするのも魅力です。
回遊性の高い動線を取り入れれば、住宅内をさまざまなルートでアクセスできるため、さらに家事効率がアップします。
また、コンパクトな平屋は家族の存在を感じやすく、子育てをする方にとってもメリットの多い住宅です。
メリット③:税金の軽減措置が適用される
コンパクトな平屋は広い土地を必要としないため、税金の軽減措置を最大限に活用できるのが魅力です。
各自治体では土地の広さに応じて固定資産税と都市計画税を軽減する「小規模住宅用地の特例」を実施しており、土地が小さいほど税金を抑えられます。
本特例では、住宅が建っている土地について200㎡分までを「小規模住宅用地」、小規模住宅用地以外を「一般住宅用地」と分けているのが特徴です。
それぞれの軽減措置の内容は、以下の通りとなります。
種類 | 固定資産税の課税標準額 | 都市計画税の課税標準額 |
小規模住宅用地 | 評価額の6分の1 | 評価額の3分の1 |
一般住宅用地 | 評価額の3分の1 | 評価額の3分の2 |
30坪の平屋に必要な土地が60坪(約198㎡)であると仮定した場合、土地のすべてが小規模住宅用地として扱われるため大きな減税が期待できるでしょう。
引用元:
コンパクトな平屋で暮らすデメリット
コンパクトな平屋で暮らすデメリットは、以下の3つです。
- 圧迫感を得やすい
- 収納が不足しやすい
- 条件によっては控除が受けられない
後悔を回避するため、メリットだけではなくデメリットも踏まえて検討しましょう。
デメリット①:圧迫感を得やすい
広さに限りのあるコンパクトな平屋は、場合によっては圧迫感を得やすいので注意しましょう。
部屋の数を増やしたり、複雑な間取りにしたりすると、それぞれの空間が狭くなるので事前によく検討することが重要です。
また、周辺が二階建てなど平屋より高い建物に囲まれている場合にも、圧迫感を感じやすくなります。
周囲の環境は風通しや日当たりにも影響するので、住宅を購入する際には周辺の土地もあわせてチェックしてください。
デメリット②:収納が不足しやすい
コンパクトな平屋では居住スペースの確保に注力しがちで、収納不足になりやすいのがネックです。
子どもが増えたり、成長したりすると物が増える場合があり、設計当初に予想した収納では足りなくなる可能性もあります。
収納不足の家は居住スペースに物があふれやすく、シンプルな暮らしが実現できないので注意が必要です。
また、収納の設置場所によってはスムーズに取り出せないなどのストレスもあるため、収納の量と場所にこだわることが大切です。
例えばキッチンであればパントリー、玄関であれば土間収納を設けるのも手段の1つとなります。
土間収納についてもっと知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】土間収納のメリット・デメリットは?活用アイデアと3つの施工実例も解説
デメリット③:条件によっては控除が受けられない
住宅ローン減税を受ける場合、基本的に50㎡以上(15.1坪)の延床面積が必要です。
そのため、場合によってはコンパクトな平屋が控除対象外になる可能性もあります。
特に1〜2人暮らしで16坪前後の平屋を検討している方は、延床面積に注意しましょう。
ただし、50㎡未満であっても以下の条件をすべて満たす場合は、住宅ローン減税の対象です。
- 新築の建築確認を2024年末までに受けた新築住宅
- 延床面積40㎡(12.1坪)以上50㎡以上(15.1坪)未満
- 所得合計が1,000万円以下
なお、住宅ローン減税を受けるには、住宅が省エネ基準を満たす必要があるなどさまざまな要件があるので、事前に確認することが重要です。
平屋自体のメリット・デメリットが気になる方は、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】平屋のメリットとデメリットは?2階建ての特徴と間取り例も解説
引用元:国土交通省|令和6年住宅ローン減税Q&A
コンパクトな平屋を建てる際のコツ
コンパクトな平屋を建てる際のコツは、以下の通りです。
- 住宅の周辺環境をチェックする
- ライフスタイル・プランに合った収納量を確保する
- 税金の軽減措置を上手に活用する
- 高気密高断熱の平屋にする
住宅が建物に囲まれていると日当たりや風通しが確保しにくいので、周辺状況をチェックしてから購入する必要があります。
生活がスタートしてから収納不足で悩まないためには、ライフスタイル・プランに合った収納量を確保することが重要です。
小規模住宅用地の特例など、税金の軽減措置を上手に活用すれば、経済負担を減らしながらマイホームを手に入れられます。
コンパクトな平屋は冷暖房効率が高いものの、平屋自体は2階がないため屋根から熱が伝わりやすく夏場は暑くなるため、高気密高断熱の平屋を目指しましょう。
老後も安心して暮らせるコンパクトな平屋の間取り例
この家は約27坪(90.26㎡)とコンパクトながらも3LDKを実現した平屋で、注目ポイントは以下の通りです。
- LDKから各スペースの移動がスムーズで老後も暮らしやすい
- 土間収納やパントリーなどの収納が充実している
LDKを中心に主寝室・ランドリールーム・洋室が配置されており、LDKから各部屋への動線が短く済むため老後もストレスなく暮らせます。
また、キッチンとランドリールーム・ファミリークローゼットが近い間取りなので、家事を同時進行しやすいのも魅力です。
土間収納やパントリーなどの収納が充実していることから居住スペースを整理しやすく、すっきりとした気持ちで生活できます。
アサヒグローバルホームでは、注文住宅と変わらない品質にこだわった分譲住宅を販売しています。
当社の特徴についてもっと知りたい方は、アサヒグローバルホームの特徴をご覧ください。
まとめ:平屋のコンパクトハウスなら快適な暮らしが叶う
コンパクトな平屋とは一般的に延床面積が約30坪以下の平屋を指し、費用相場は1,500万〜2,500万円です。
光熱費やメンテナンス費などランニングコストを抑えられるメリットがある一方で、圧迫感を得やすいといったデメリットもあるので注意しましょう。
アサヒグローバルホームではコンパクトな平屋をはじめとして、さまざまなタイプの建売住宅を販売しています。
当社の物件をもっと知りたいという方は、物件を探すをご覧ください。
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この記事の監修
足立 克久
2005年アサヒグローバルホーム入社
入社後、宅建士、建築士などの資格を取得。
その知識を生かし、分譲住宅、注文住宅の契約を300棟以上担当。
現在は東海三県の土地仕入れ、分譲住宅の開発に携わりながら住宅を販売している。