小上がり和室のメリットとデメリットは?使い方や失敗を防ぐ対策も紹介

マイホームを検討するにあたって、小上がり和室を取り入れるか悩む方もいるでしょう。
小上がり和室は実用性だけでなく、デザイン性にも優れているため、空間のアクセントとして取り入れるのにも効果的です。
とはいえ、高さが出る分、転倒や転落などのリスクが生じる点に注意しなければなりません。
この記事では、小上がり和室のメリットやデメリットについて解説します。
失敗しないための対策もまとめているので、小上がり和室の採用を検討している方は、参考にしてください。
目次
小上がり和室とは

小上がり和室とは、床の一部を高くして設ける畳スペースを指します。
一般的に多くの建売住宅では、フローリングが主流です。
小上がり和室を設けると空間にアクセントを加えられるため、メリハリのある住空間を実現できます。
また、畳には室内の湿度を調整する効果や、い草の香りがもたらすリラックス効果があるといわれています。
リビングにいながらも少し落ち着いた雰囲気を取り入れた多目的な場所として活用できるため、小上がり和室は注目を集めているのです。
小上がり和室を設ける3つのメリット

小上がり和室のメリットは、以下の3つです。
- 収納スペースを確保できる
- 立体的でおしゃれな空間を演出でき
- 好みの姿勢でくつろげる
それぞれ見ていきましょう。
メリット①:収納スペースを確保できる
メリットには、段差部分を活かして収納スペースを確保できる点が挙げられます。
床面を高くしたことで空間が生まれるため、デッドスペースになりがちな場所を収納として活用可能です。
たとえば、引き出し式の収納を設けると子どものおもちゃや日用品、リビング周りの細々したものを片付けられます。
また、畳部分を跳ね上げ式にすると、普段使わない季節の家電や来客用の布団など、かさばる物を収納できます。
限られた居住スペースの中で収納力をアップしたいと考える方にとって、小上がり和室は有効な選択肢といえるでしょう。
メリット②:立体的でおしゃれな空間を演出できる
小上がり和室はフラットな空間に高低差が生じるため、メリハリのある住空間を演出できます。
立体的な空間は、居住スペースを視覚的に広く見せる効果を得られるためです。
また、和室内の畳の色や素材、框(かまち:段差の縁部分の化粧材)のデザインにこだわる楽しみがあります。
和風だけでなくモダン、北欧風など、さまざまなインテリアテイストに調和させ、オリジナルの空間づくりが可能です。
間接照明などを組み合わせれば、さらに洗練された雰囲気を演出できます。
空間にアクセントを加えてデザイン性の高い住まいを実現したい場合に、小上がり和室は魅力的な選択肢となります。
おしゃれでモダンな和室を作りたい方は、以下の記事をあわせて参考にしてください。
【関連記事】おしゃれでモダンな和室をつくるには?かっこいい間取り例やポイントを解説
メリット③:好みの姿勢でくつろげる
さまざまなくつろぎ方ができる点も、小上がり和室の魅力の1つです。
段差部分に気軽に腰掛けてくつろげるため、ソファのような感覚で利用できます。
リビングにいる家族と目線を合わせやすく、コミュニケーションが取りやすいのも嬉しいポイントです。
また、畳の上にごろりと寝転がってリラックスもできます。
い草の香りと畳の柔らかな感触によって、心身が癒されるでしょう。
小上がり和室は気分やシーンに合わせて、自由な姿勢でくつろげる多機能なスペースとして活躍します。
小上がり和室を設ける3つのデメリット

小上がり和室のデメリットは、以下の3つです。
- 老後にリフォームが必要な場合がある
- 高さによっては落下のリスクが生じる
- 配置によってはリビングが狭く感じる
後悔しないよう、デメリットについて理解を深めましょう。
デメリット①:老後にリフォームが必要な場合がある
小上がり和室の段差は将来、介護生活の負担になってしまう可能性があります。
加齢に伴い足腰が弱くなると、わずかな段差の上り下りも大変になるため転倒のリスクも高まります。
老後の暮らしを見据えた場合、バリアフリーの観点から段差を解消するリフォームが必要になるケースも少なくありません。
将来的に手すりを設置する、もしくは段差をなくしてフラットな空間に戻すなどを考えておく必要があります。
長く住み続ける家だからこそ、将来の身体的な変化も視野に入れて検討してみましょう。
デメリット②:高さによっては落下のリスクが生じる
小上がり和室の段差は、小さなお子様がいるご家庭では注意が必要です。
子どもが遊んでいる最中に誤って落下したり、段差につまずいて転倒したりする危険性があります。
適切な段差の高さをきちんと設定して、必要に応じて転落防止柵を設け、角を丸くするなどの安全対策が大切です。
家族構成やライフスタイルに合わせて、安全に利用できるか十分に検討しましょう。
デメリット③:配置によってはリビングが狭く感じる
小上がり和室を設けると、その分リビングの床面積が狭くなる場合があります。
高さにより、圧迫感が生じやすいためです。
小上がり和室の存在感が強くなり、リビングスペースが窮屈に感じるほか、インテリアのバランスが悪くなるケースも珍しくありません。
また、天井高があまりない部屋に小上がりを設けると、和室部分の天井が低くなり、窮屈に感じる場合もあるでしょう。
空間を有効活用するはずが、逆に狭く見えてしまう場合もあるため、住空間のバランスは重要です。
小上がり和室を失敗しないための対策
小上がり和室で後悔しないためには、設置場所や広さ、高さ、そして天井とのバランスを慎重に検討することが大切です。
後悔しないための対策は、以下のとおりです。
位置 |
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広さ |
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高さ |
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天井とのバランス |
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その他 |
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これらの要素は日々の使い勝手や安全性、さらには空間全体の印象に大きく関わるため、計画段階でしっかりと判断すると失敗を防げるでしょう。
小上がり和室の使い方
ここでは、日々の暮らしを豊かにする小上がり和室の具体的な使い方を3つご紹介します。
- ワーク・スタディスペース
- 家事室
- 寝室
ご自身のライフスタイルに合わせて、最適な活用法を見つけてください。
使い方①:ワーク・スタディスペース
小上がり和室は、ワークスペースやスタディスペースとして活用できます。
空間が区切られているため、家族の気配を感じながらも、ほどよいおこもり感が生まれます。
段差に腰掛けてリビング側のカウンターで作業する、もしくは畳の上に座卓を置いてパソコン作業や読書をするのも良いでしょう。
また、キッチンやリビングから子どもの様子を見守れるため、リビング学習のスペースとしても最適です。
小上がり和室は家族の気配を感じつつも、落ち着いて作業や学習に取り組める空間として有効です。
スタディコーナーの特徴については、以下の記事をあわせて参考にしてください。
【関連記事】スタディーコーナーの3つの特徴とは?設置の注意点や間取り例も解説
使い方②:家事室
小上がり和室は、日々の家事を効率的にこなすためのスペースにもなります。
特に、洗濯物をたたむ、アイロンがけをするといった洗濯家事に適しています。
小上がりの段差部分に収納を設けておけば、アイロンや裁縫道具、物干し用品などをしまえるため、家事動線がスムーズです。
リビングで遊ぶ子どもを見守りながら家事ができるのも、子育て中のご家庭にとっては嬉しいポイントです。
小上がり和室は散らかりがちな家事の作業スペースを集約し、日々の負担を軽減してくれる空間として活躍できます。
使い方③:寝室
必要に応じて寝室としても活用できるのも、小上がり和室の魅力です。
普段はリビングの一部として使いながら、来客時には布団を敷いてゲストの寝室として準備できます。
そのため、個室の客間を用意するスペースがない場合でも、小上がり和室があれば安心です。
小さなお子様がいるご家庭では、お昼寝スペースとしても活用可能で、親も隣で添い寝ができます。
特に高齢の方や小さなお子様が使用する場合は、夜間の転落防止策として、手すりや間接照明などを取り入れると安全性が高まります。
3帖の小上がり和室を設けた間取り例
こちらの間取りの注目ポイントは、以下の2つです。
- リビングの一角に3畳の畳コーナーを設けている
- 適材適所に収納スペースが採用されている
リビングに隣接する3帖の小上がり和室は、限られた空間でも多様な活用が可能です。
空間にメリハリが生まれるため、視覚的に広く見せられる点も魅力といえます。

また、こちらの間取りでは動線上に収納スペースを設けているため、適材適所に物をしまえます。
生活感のない住空間を実現できる点が、こちらの間取りの特徴です。
アサヒグローバルホームでは、収納スペースが充実した建売住宅を多数提供しております。
見学予約も随時受け付けておりますので、実際に当社の物件をご覧になりたい方は、お気軽にお問い合わせください。
まとめ:小上がり和室は高さ・広さ・天井とのバランスがポイント

小上がり和室は、段差を活かした収納スペースの確保や空間をおしゃれに見せる効果、さらに多様なくつろぎ方ができる魅力的なスペースです。
一方で、バリアフリーの問題や小さなお子様の落下リスク、設置場所による圧迫感などのデメリットも存在します。
小上がり和室を検討する際は、高さや広さ、天井とのバランスを考慮することが大切です。
ご自身のライフスタイルや用途に合わせて、快適で機能的な小上がり和室を実現しましょう。
アサヒグローバルホームでは、小上がり和室を採用した建売住宅を多数販売しております。
小上がり和室を設けた当社の物件を知りたい方は、「物件を探す」ページをご覧ください。
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ステップ①:希望条件を決める
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この記事の監修
足立 克久
2005年アサヒグローバルホーム入社
入社後、宅建士、建築士などの資格を取得。
その知識を生かし、分譲住宅、注文住宅の契約を300棟以上担当。
現在は東海三県の土地仕入れ、分譲住宅の開発に携わりながら住宅を販売している。
