土間収納のメリット・デメリットは?活用アイデアと3つの施工実例も解説
玄関の一部を収納スペースとして活用する土間収納は、今や多くの住宅で見かけるようになりました。
これから住宅を建てる方や引っ越しをする方のなかにも、土間収納を取り入れたいと考えている方がいるのではないでしょうか。
実際のところ、きちんと収納計画を立てておかなければ、もので溢れかえり使いにくい物置スペースとなってしまうことも。
そこでこの記事では、土間収納のメリットとデメリット、失敗しないための活用アイデアを紹介します。
当社の施工実例をもとに、土間収納のある間取りも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
土間収納とは
土間収納とは、玄関の一部に設けられた、靴を履いたまま出入りできる収納スペースのことです。「シューズクローク」や「シューズインクローゼット」とも呼ばれます。
広さは1~2帖が一般的です。収納スペースは大きいほうがよいと思われがちですが、土間収納の使用目的を明確にすることで、限られたスペースでも役割を十分に果たせます。
土間収納の形状はいくつかあり、おもに以下4つのタイプに分けられます。
- クローゼットタイプ
- オープンタイプ
- ウォークインタイプ
- ウォークスルータイプ
扉が付いているものが「クローゼットタイプ」、付いていないものが「オープンタイプ」です。
また、「ウォークインタイプ」は出入り口が1か所の個室型である一方、「ウォークスルータイプ」は出入り口が2か所以上あり通り抜けできるタイプを指します。
土間収納のメリット3選
まずは、土間収納の3つのメリットについて解説します。
- 汚れが気になるアイテムを収納できる
- 玄関をすっきりさせられる
- 置き場に悩むアイテムを気軽に収納できる
メリット①:汚れが気になるアイテムを収納できる
靴を履いたまま出入りできる土間収納は、室内に比べると、汚れが気になりにくく掃除しやすいといった特徴があります。
そのため、室内で保管しにくいような、汚れが気になるものを収納するのに最適です。
ベビーカーやお子さまが使う外遊び用のおもちゃ、アウトドア用品などは土や泥がついており、室内保管には向いていません。玄関周りの掃除グッズも、できるだけ室内には持ち込みたくないものです。
土・泥・水分などが付着していても、気軽に置ける点が土間収納のメリット。床材によっては、デッキブラシやたわしを使った水洗いも可能なので、掃除の手間も軽減できるでしょう。
メリット②:玄関をすっきりさせられる
後で片付けようと思いつつ、濡れた傘やシューズボックスに入りきらない靴などが、置きっぱなしになっていることは少なくありません。
保管場所として土間収納を活用すれば、家族分の靴を収納できるだけでなく、雨の日に玄関の床がびしょびしょに濡れてしまうことも防げます。
特に、扉付きの土間収納は、中の様子が見えないことが一番のメリットです。美しく整った玄関を演出できるため、来客時も気持ちよく対応できるでしょう。
メリット③:置き場に悩むアイテムを気軽に収納できる
土間収納は外での保管には向いておらず、わざわざ室内で保管する必要のない、いわゆる置き場に悩むアイテムの収納場所にうってつけです。
たとえば、趣味で使用するアウトドア用品や高価なアイテムは、外に保管すると盗難被害が懸念されます。
水や灯油のストックも、使用するまでは室内に持ち込む必要がありません。ほかにも、いざという時に外に持ち出せるよう、防災用品を保管するのもおすすめです。
多目的に対応できる土間収納があれば、一時保管場所として気軽に使用できます。
土間収納のデメリット3選
土間収納を設置する場合は、次の3つのデメリットに注意しましょう。
- 玄関とは別でスペースが必要
- ニオイや湿気が気になることも
- 何を収納するか決めないと物置になりがち
デメリット①:玄関とは別でスペースが必要
土間収納の設置は、玄関とは別で専用のスペースが必要になります。収納量を増やすために広めの設計にすると、居住スペースや玄関スペースを圧迫する恐れがあるため注意が必要です。
また、土間収納を確保するために延べ床面積を増やすと、当然その分の施工費用も増えることに。
まずは、収納したい物をリストアップしたうえで、土間収納が必要かどうかを検討しましょう。
土間収納が必要な場合は、居住スペースとのバランスを考慮して、暮らしに支障がないよう適切な間取りを設計することが大切です。
なお、住宅購入の際にチェックすべき点は、間取りだけではありません。建売住宅を検討している方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
【関連記事】建売住宅の後悔ポイント9選|失敗しないためのチェック項目も解説
デメリット②:ニオイや湿気が気になることも
汚れているものや濡れたものを気軽に片付けられる土間収納ですが、気を付けたいのが収納スペースにこもるニオイや湿気です。
濡れたままの雨具やコート、靴などが不快なニオイや湿気の原因に。濡れた状態で放置していると、収納物にカビが生える可能性もあるため、こまめな換気が欠かせません。
換気扇や除湿器を設置したり、サーキュレーターで空気を循環させたりして、ニオイ・湿気を対策しましょう。
デメリット③:何を収納するか決めないと物置になりがち
出したいものを出せず、本当にしまいたいものも収納できない状態では、せっかくの収納スペースも役に立ちません。
目的もなく何もかも詰め込まれた土間収納にならないよう、あらかじめ収納計画を立てておくことが大切です。
その際、収納するものの量や大きさはもちろん、長期目線で計画できるとよいでしょう。
たとえば、ベビーカーであればお子さまが成長するにつれて不要になるため、数年後には収納アイテムが変わっていると予想できます。
今だけでなく、この先必要・不要になるものを見越して収納計画を立てることで、長期にわたって使いやすい土間収納を実現できるでしょう。
土間収納の活用アイデア
収納するものに合わせて、さまざまな使い方ができる土間収納。
たとえば、保管場所に悩みがちな以下のアイテムなどを、土間収納に片付けてみてはいかがでしょうか。
- 掃除用具
- ベビーカーや外遊びのグッズ
- スポーツ用品
- アウトドア用品
- 防災グッズ
- 帽子やコート
掃除用具やベビーカーなどは、土汚れが気になるうえ、使用頻度が高いもの。すぐに持ち出せるよう、玄関横に収納場所があると便利です。
屋外使用が多いスポーツ用品やアウトドア用品は、室内保管に抵抗を感じることも。なかには、ゴルフ用品やロードバイクのように高価なものもあるため、目の届きやすい土間収納が安心です。
また、防災グッズを玄関付近に保管しておけば、有事の際にサッと持ち出せます。
帽子やコート、マフラーなども室内では使用しないため、外出までの動線上にある土間収納がおすすめです。
なお、以下の記事では、自転車の保管方法について玄関先のほか、6つのアイデアを紹介していますので参考にしてください。
【関連記事】自転車置き場がない建売住宅(戸建て住宅)でも快適に暮らせる!7つのアイデアとは?
土間収納のあるおしゃれな施工実例3選
当社が取り扱う物件の中から、土間収納を取り入れた3つの間取り例を紹介します。
- ウォークスルータイプの土間収納を設けた間取り
- 階段下のスペースを土間収納にした間取り
- 土間収納と階段下収納を設けた間取り
実例①:ウォークスルータイプの土間収納を設けた間取り
この家は、使い勝手のよいウォークスルータイプの土間収納を取り入れました。ポイントは以下の2点です。
- 玄関→土間収納→ファミリークローゼットが一直線に並ぶ間取り
- LDKにも直結する出入り口を設置
コンパクトな土間収納を設けて、スムーズな家事動線を確保。ベビーカーや掃除道具などちょっとしたものを気軽に収納でき、サッと出し入れできる使いやすさが魅力です。
玄関からは直接LDKにも出入りできるため、荷物が多い日や家族揃ってのお出かけ時も玄関が込み合う心配がありません。
実例②:階段下のスペースを土間収納にした間取り
この家は、階段下のスペースを土間収納として有効活用しました。ポイントは以下の2点です。
- 限られたスペースを土間収納として活用
- ドア付きの土間収納で整った玄関に
階段下の空間が玄関と隣接しており、土間収納として活用できる無駄のない間取りが特徴です。土間収納の入口にはドアが付いているため、生活感が出やすい物置スペースの目隠し代わりに。
意外に物が溜まりやすい玄関周りがすっきり見えるため、急な来客時にも安心です。
実例③:土間収納と階段下収納を設けた間取り
この家は、土間収納をはじめ、充実した収納スペースが魅力です。ポイントは以下の2点です。
- 適材適所に収納スペースを設置
- 収納を使い分けて美しい空間づくりを実現
玄関横の土間収納だけでなく、ホールに設置された階段下の収納もあり、大容量の収納スペースを確保。
さらに、土間収納に棚やハンガーパイプを設置すれば、使い勝手のよい十分な収納量を見込めるでしょう。それぞれの収納スペースを使い分けることで、整理整頓された居住空間を実現できます。
まとめ:土間収納でおしゃれかつすっきりした玄関に
玄関の整理整頓や収納場所に悩んでいる方は、土間収納がおすすめです。
土間収納のメリット・デメリットをおさらいしましょう。
メリット | デメリット |
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土間収納を取り入れる際は、間取り設計と事前の収納計画が大切です。湿気対策も入念に行うことで、快適な土間収納を実現できるでしょう。
アサヒグローバルホームでは、土間収納を取り入れたおしゃれな物件を用意しておりますので、「物件を探す」ページから気になる物件をご覧ください。
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簡単3ステップであなたのお気に入りの住まいに出会えるかも!
以下のステップで理想の住まいを探しましょう!
ステップ①:希望条件を決める
ステップ②:希望条件に合う物件をリストアップ
ステップ③:実物を見て確認する
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この記事の監修
足立 克久
2005年アサヒグローバルホーム入社
入社後、宅建士、建築士などの資格を取得。
その知識を生かし、分譲住宅、注文住宅の契約を300棟以上担当。
現在は東海三県の土地仕入れ、分譲住宅の開発に携わりながら住宅を販売している。