耐震・制震・免震の違い5選!制震ダンパーを搭載した間取り例も紹介
地震大国といわれる日本で家の購入を検討する際、耐震性を重視する方は多いでしょう。
建物の地震対策には、耐震・制震・免震の3種類があります。
それぞれ特徴が異なるため、家を検討するときは3種類の違いを理解しておくことが大切です。
この記事では、耐震・制震・免震の主な違いを5つ解説します。
設置コストやメリット、デメリットだけでなく、制震ダンパーを搭載した間取り例も紹介しますので、
地震対策が講じられた家を購入したい方は参考にしてください。
目次
耐震・制震・免震の違い5選
耐震・制震・免震の違いは、以下の5つです。
- 特徴
- 設置コスト
- 設置条件
- 設置後のメンテナンス
- 主なメリット・デメリット
各構造の仕組みを見ていきましょう。
違い①:特徴
耐震・制震・免震の特徴には、下表の違いがあります。
種類 | 構造 | 揺れに対する特徴 | 揺れ |
耐震 | 地震の揺れに耐えられるよう、建物の耐震性を強くする構造 | 地震の衝撃を受け止め倒壊を防ぐもので、揺れを感じやすい | 大 |
制震 | ダンパーなど制震装置を建物内部に設けて、地震の揺れを吸収する構造 | 揺れが小さくなるため、建物が倒壊しにくい | 中 |
免震 | ローラーなどの免震装置を設置して地盤と建物を切り離し、地震の揺れが建物に伝わりにくくした構造 | 建物が倒壊しにくいだけでなく、揺れを感じにくい | 小 |
構造によって装置の設置場所が異なるだけでなく、揺れの強さにも違いがあります。
コストや設置条件にも違いが生じるため、特徴を理解したうえで購入を検討しましょう。
違い②:設置コスト
耐震・制震・免震における設置コストの違いは、下表の通りです。
種類 | 木造住宅の設置コスト |
耐震 | 100万円~ |
制震 | 50万円~ |
免震 | 300万円~ |
構造によって設置コストは異なり、なかでも免震は耐震や制震と比べてコストが高い傾向です。
ただし、設置コストは工務店によって違いがあるため、見積もりをとって検討するのがおすすめです。
違い③:設置条件
耐震・制震・免震における設置条件の違いは、下表の通りです。
種類 | 設置条件 |
耐震 | なし |
制震 | なし |
免震 | あり |
免震を設置する場合、第1種・第2種地盤で液状化しないことが条件となります。
つまり、軟弱な地盤の場合は免震を設置できません。
また隣の建物とは40cm以上、人が通る場合は50cm以上空いている必要があるため、住宅密集地では設置が難しい場合もあるでしょう。
免震を施工可能な工務店が限られている点についても、事前に理解しておきましょう。
違い④:設置後のメンテナンス
耐震・制震・免震では、設置したあとメンテナンスの必要性が異なります。
メンテナンスの違いは、下表の通りです。
種類 | 設置後のメンテナンス |
耐震 | 不要 |
制震 | 使用する装置によっては必要 |
免震 | 定期的に必要 |
制震ダンパーはメンテナンス不要なものが多い傾向のため、ランニングコストはかかりにくい点が特徴です。
しかし、年数の経過とともに劣化が起きている可能性もあることから、ダンパーの種類によっては定期的な点検が必要になります。
また、免震は5年後や10年後といった定期的なメンテナンスが必要です。
目視による1年点検を実施する場合もあり、耐震や制震に比べて維持するのに費用がかかります。
なお、当社アサヒグローバルホームでは、長く安心して暮らせる建売住宅を提供しています。
設備や性能にこだわり続けている当社の建売住宅について知りたい方は「わたしたちのこだわり」をご覧ください。
違い⑤:主なメリットとデメリット
耐震・制震・免震のメリットとデメリットは、下表の通りです。
種類 | メリット | デメリット |
耐震 |
|
|
制震 |
|
|
免震 |
|
|
構造によって地震によるダメージが異なるだけでなく、地震以外の自然災害には効果を得られない場合があります。
住宅を購入する際は、構造にどのようなメリットとデメリットがあるか把握したうえで、対策を練ることが大切です。
耐震・免震・制震どれがいい?
耐震・免震・制震はどれがいいのかではなく、組み合わせることで各構造のデメリットを補えます。
主な組み合わせは、以下の通りです。
組み合わせ方 | 特徴 |
耐震+免震 | 免震を組み合わせることで、住宅のダメージを軽減するだけでなく家具の倒壊リスクを防ぐ建物にできる |
耐震+免震+制震 | 各構造のデメリット補っているため、性能に優れた建物にできる |
耐震+制震 | 制震を組み合わせることで、耐震性の高い建物のにできる |
戸建て住宅では、耐震+制震の組み合わせが主に採用されている傾向です。
設置費用やメンテナンス費用の負担を抑えつつも、高い効果が期待できます。
地震に強い住宅を検討する際は、構造を組み合わせてそれぞれのデメリットを補いましょう。
アサヒグローバルホームでは制震ダンパーミライエを標準搭載
当社アサヒグローバルホームの建売住宅では、制震ダンパーMIRAIE(以下・ミライエ)を標準搭載しています。
ミライエの主な特徴は、以下の通りです。
- 繰り返す地震にも強い制震機能
- 100年以上の歴史を持つ住友ゴムから誕生した「高減衰ゴム」を搭載
- 90年間メンテナンスフリーの耐久性
2016年に発生した熊本地震では震度7が2度観測されていますが、ミライエを導入した建物の全壊・半壊はゼロでした。
耐震+制震を組み合わせているため、揺れにくく壊れにくい地震対策が実現可能です。
なお、ミライエの特徴や生産過程は、動画でも詳しく紹介しています。
アサヒグローバルホームの建売住宅で採用しているミライエについて知りたい方は、以下の動画を参考にしてください。
耐震と制震を組み合わせた間取り例2選
耐震と制震を組み合わせたアサヒグローバルホームの間取り例は、以下の2つです。
- 広い庭が付いたシックな外観の家
- 複数の動線を設けた1.5階の家
理想のマイホームを実現できるよう、見ていきましょう。
間取り例①:広い庭が付いたシックな外観の家
シックな外観が魅力的なこちらの間取りの特徴は、以下の2つです。
- 南側に広い庭を設け、開放感を演出している
- 2階の一部に勾配天井を設置し明るい空間を実現している
北玄関の住宅は南側に庭を設けているため、通行人の視線を気にせずプライベート空間を満喫できます。
まわりを気にせずバーベキューやプールなどを楽しめることから、家族の時間を充実させたい方にピッタリな間取りです。
また、2階の一部の部屋に傾斜をつけた天井となる勾配天井を設けているため、採光を確保できます。
採光により空間が広がるため、開放感のある部屋でゆったりくつろげるのが特徴です。
勾配天井のメリットについて知りたい方は、以下の記事もあわせて参考にしてください。
【関連記事】勾配天井とは?新築住宅に取り入れるメリット・デメリットと施工事例を解説
間取り例②:複数の動線を設けた1.5階の家
外観が個性的なこちらの間取りの主な特徴は、以下の2つです。
- 2WAY玄関となっているため、玄関をきれいな状態に保てる
- ファミリークローゼットとランドリールームが隣接している
荷物を土間収納に隠せるため、急な来客にもすぐ対応できる点が特徴です。
生活感のない玄関を実現できるため、来客にも良い印象を与えられます。
また、ファミリークローゼットとランドリールームを近くに配置しており、洗濯動線を短くしています。
洗う・干す・しまうを1階で完結できるため、家事の時短になるのがメリットです。
家事動線の良いファミリークローゼットの間取りについて知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】ファミリークローゼットで理想の間取り5選!家事動線の良い施工事例も紹介
まとめ:耐震・制震・免震の違いを知り最適な家を見つけよう
耐震・制震・免震にはそれぞれ違いがあるため、各構造の理解を深めることが大切です。
構造によっては、メンテナンス費用や設置条件が設けられている場合があります。
快適かつ安心して暮らせる家を実現できるよう、各構造の特徴をきちんと理解しておきましょう。
なお、アサヒグローバルホームの建売住宅では耐震+制震を組み合わせた構造を採用しています。
揺れにくく壊れにくい地震対策を設けている当社の物件について知りたい方は、ぜひ「物件を探す」からご覧ください。
【関連記事】南玄関の間取りでスムーズな家事動線を作るアイデアとは?間取り例も解説
【関連記事】建売住宅の寿命は?注文住宅との違い・長寿命化のポイント・選ぶコツを解説
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以下のステップで理想の住まいを探しましょう!
ステップ①:希望条件を決める
ステップ②:希望条件に合う物件をリストアップ
ステップ③:実物を見て確認する
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この記事の監修
足立 克久
2005年アサヒグローバルホーム入社
入社後、宅建士、建築士などの資格を取得。
その知識を生かし、分譲住宅、注文住宅の契約を300棟以上担当。
現在は東海三県の土地仕入れ、分譲住宅の開発に携わりながら住宅を販売している。