剛床工法とは?読み方・取り入れるデメリット・メリット・物件実例を紹介
住宅を購入するにあたって、どのような工法で床が組まれていると、より安心して暮らせるのか疑問を感じる方もいるでしょう。
床の組み方にはいくつか種類がありますが、なかでも注目されている工法が剛床工法です。
剛床工法は日本で主流になっている床の工法で、長く住み続けるために欠かせないメリットがあります。
この記事では、剛床方法と根太工法の違いや採用するメリット・デメリットを解説します。
剛床工法が使われている住宅の間取り例も紹介しますので、剛床工法を取り入れた住宅の購入を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
目次
剛床工法とは?読み方・根太工法との違い
剛床工法(ごうゆかこうほう)は、根太(ねだ)と呼ばれる床板を支える木材を使用せず、代わりに厚みのある合板を用いて床の剛性を高める工法です。
根太を省略するため、剛床工法は「根太レス工法」とも呼ばれています。
もともとは根太工法が主な工法でしたが、剛床工法のほうが施工しやすいという理由から、近年では主流になりつつあります。
根太工法は根太を一定間隔で設置し、その上に合板を敷いて床を支える工法です。
根太の間隔やサイズは施工現場によって異なりますが、床下に空間ができるため、配線を通しやすい特徴があります。
剛床工法を採用する3つのメリット
剛床工法を採用するメリットは、以下の3つです。
- 災害に強い住宅になる
- 仕上がりのムラが少なくなる
- 居住空間を広くできる
メリット①:災害に強い住宅になる
剛床工法のメリットは、災害に対する耐久性の高さです。
横揺れや建物の歪みに強く、地震や台風といった外部からの衝撃を受けても、家全体をしっかりと支えられます。
また、床が厚く燃え広がりづらいため、災害によって火災が発生しても被害を最小限に抑えられるのが特徴です。
災害に強い住宅になる点が、剛床工法を採用するメリットといえます。
メリット②:仕上がりのムラが少なくなる
剛床工法は、仕上がりムラが少なくなるメリットもあります。
根太工法では、根太を均等に配置するために職人の技術に依存する部分が大きく、仕上がりにばらつきが出ることも少なくありません。
しかし、剛床工法では根太を使用せず、厚い合板を使って一面で床を支えるため、施工がシンプルで作業のばらつきが少なくなります。
均一な仕上がりが期待できるため、住宅全体の品質が安定しやすいといえるでしょう。
メリット③:居住空間を広くできる
剛床工法を採用すると、居住空間を広くできます。
剛床工法では根太や火打ち梁を使用する必要がなく、床の高さを抑えられるためです。
床の位置が下がる分、天井が高くなるため、通常より広い空間を確保できます。
火打ち梁とは、木造建築で床や屋根の変形を防ぐために使われる斜材です。
縦方向の梁と横方向の梁の間に設置されます。
なお、天井が高い家にするとどのようなメリット・デメリットがあるのかについては、以下の記事で解説していますのであわせてご覧ください。
【関連記事】天井が高い家は何センチ?一般的な天井高・メリット・デメリットを解説
剛床工法を採用する3つのデメリット
剛床工法を採用するデメリットは、以下の3つです。
- 場所によっては床鳴りしやすくなる
- カビ対策が必要になる
- 事前に処理しないと水漏れの可能性がある
デメリット①:場所によっては床鳴りしやすくなる
剛床工法には、床鳴りが発生しやすいデメリットがあります。
床鳴りとは、歩く際に生じる音などが下の階に伝わりやすくなる現象のことです。
剛床工法は根太などの水平材を使用しません。
そのため、床下に空洞ができてしまい床鳴りしやすくなります。
構造上、床鳴りを完全に防ぐのは難しいといえるでしょう。
床鳴りが発生するリスクを考慮したうえで、工法を選ぶ必要があります。
デメリット②:カビ対策が必要になる
剛床工法では、カビ対策が求められるケースも少なくありません。
剛床工法は構造上、通気性があまり良くないためです。
根太工法と比べると床下に空気の流れが生まれづらく湿気がこもりやすいため、カビが発生しやすい傾向にあります。
カビ対策を怠ってしまうと場合によっては木材が腐敗してしまい、大規模なリフォームが必要になる可能性もあるでしょう。
そのため、施工時に十分なカビ対策を講じることが不可欠です。
防湿処理がなされた建材を使用したり、防湿シートや通気口を設置したりするといった対策が効果的です。
適切な対策を行い、カビが発生しない環境を整えましょう。
デメリット③:事前に処理しないと水漏れの可能性がある
剛床工法で使用される合板は、湿気や水分に弱い性質を持っています。
雨や湿気にさらされると合板がしなったり膨れたりして、結果的に水漏れの原因となる可能性があります。
そのため、合板に対して事前に養生処理を施すことが不可欠です。
養生処理をきちんと行っていれば、雨が降っても水漏れの心配はありません。
工務店によって養生処理の方法が異なるため、防水対策がきちんと行われているのか購入前に確認する必要があります。
剛床工法を取り入れたアサヒグローバルホームの性能
アサヒグローバルホームでは剛床工法を採用し、強度と耐震性に優れた住宅を提供しています。
1階と2階の床には、24mm厚の構造用合板を用いて建物全体の安定感を高めているのが特徴です。
さらに、圧縮・曲げ強度が高い集成材や特殊粘弾性ゴムなどを採用し、地震のエネルギーを効果的に吸収できる仕様にしています。
そのため、繰り返し発生する地震にも耐えられる住まいを実現しています。
ほかにも、当社ではさまざまな点にこだわりを持って高性能な建売住宅を販売しているため、性能について詳しく知りたい方は性能ぺ―ジをご覧ください。
剛床工法が使われた物件実例3選
剛床工法が採用された物件を3つ紹介します。
- 広々とした駐車スペースを設けた家
- 家事動線にこだわった平屋の家
- 各動線に収納スペースを設置した家
実例①:広々とした駐車スペースを設けた家
こちらの家では、効率的な家事動線を意識した間取りを採用しており、注目ポイントは以下の通りです。
- ランドリールームと直結した洗面室
- 広々とした駐車スペース
ランドリールームは洗面室に隣接しているため、洗濯後はすぐに服を干せます。
さらに、ランドリールームには作業スペースを設けているため、干した服を取り込んで畳んだり、アイロンがけしたりといった家事をスムーズに行える点も魅力です。
また、駐車スペースが広く、複数台の車や自転車を余裕を持って停められる点も家族にはうれしい特徴といえるでしょう。
ランドリールームについては以下の記事でさらに詳しく解説していますので、参考にしてください。
【関連記事】ランドリールームは何畳がベスト?検討するポイントと間取り例を解説
実例②:家事動線にこだわった平屋の家
こちらの平屋は、日常の家事を効率よく行える間取りを取り入れており、注目ポイントは以下の通りです。
- 玄関からパントリーや土間収納までの距離が短い
- 複数の空間を5歩で移動できる家事動線
玄関とパントリーの距離が短く、買い物後の荷物をすぐに収納可能です。
物を置きっぱなしにしなくて済むため、玄関やリビングをすっきり保てます。
さらに、キッチンからファミリークローゼット、ランドリールームへの動線が短いため、洗濯や片付けが効率的に行えます。
実例③:各動線に収納スペースを設置した家
こちらの家は、動線を意識した収納スペースが特徴で、注目ポイントは以下の通りです。
- 帰宅後の動線上にある複数の収納スペース
- キッチン背面の大容量カップボード
玄関ホールから土間収納、パントリーへと繋がる動線によって、買い物後は荷物をスムーズに片付けられます。
土間収納とパントリーの間には洗面化粧台があるため、帰宅後すぐに手を洗える点も特徴です。
キッチンの背面には大きなカップボードがあり、たくさんの食器を収納できる設計となっています。
ほかにも、階段下収納や大型のファミリークローゼット、洋室や主寝室にもクローゼットを設けているため、家の中を常にすっきりとした状態に保てます。
まとめ:剛床工法を採用した建売住宅で長く安心して暮らせる住まいを実現
剛床工法は、地震や台風に強く、床の剛性を高める工法として注目を集めています。
根太や火打ち梁を使用しないため施工が容易で、仕上がりにばらつきが出づらく、広い居住空間を確保できる点がメリットです。
一方で、床鳴りやカビ対策、水漏れ防止のための事前処理など、注意すべき点も存在します。
メリット・デメリットを踏まえたうえで、ご自身や家族に適した工法を取り入れている住宅を購入しましょう。
アサヒグローバルホームでは、災害時でも安心して暮らせるよう剛床工法を採用しています。
地震や台風に強い住宅をお探しの方は、物件を探すからご覧ください。。
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ステップ①:希望条件を決める
ステップ②:希望条件に合う物件をリストアップ
ステップ③:実物を見て確認する
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この記事の監修
足立 克久
2005年アサヒグローバルホーム入社
入社後、宅建士、建築士などの資格を取得。
その知識を生かし、分譲住宅、注文住宅の契約を300棟以上担当。
現在は東海三県の土地仕入れ、分譲住宅の開発に携わりながら住宅を販売している。