建売を購入する際に諸費用をローンに組み込む2つの方法とは?注意点も解説

建売住宅を購入する際は、物件価格だけでなく諸費用がかかります。
諸費用には登記費用や火災保険料、ローンの手数料などがあり、想像よりもまとまった金額になるケースも少なくありません。
諸費用をすべて自己資金でまかなうのが難しい場合、ローンに組み込んで支払う方法があります。
ただし、すべての諸費用が対象になるわけではなく、金融機関の条件や審査にも注意が必要です。
この記事では、建売住宅を購入するときに諸費用をローンに組み込む2つの方法について解説します。
メリットやデメリット、注意点も紹介するので、建売住宅の購入にあたって資金計画を立てている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
建売を購入する際に諸費用をローンに組み込む方法

建売住宅の購入時に諸費用をローンでまかなう方法は、大きく2つに分かれます。
- 住宅ローンに組み込む
- 諸費用ローンに組み込む
それぞれ詳しく見ていきましょう。
方法①:住宅ローンに組み込む
建売住宅の購入時にかかる一部の諸費用は、「オーバーローン」として住宅ローンに組み込めます。
ただし、対応する費用の範囲は金融機関によって異なるため、事前に確認が必要です。
オーバーローンに組み込める主な諸費用には、次のようなものがあります。
- 登記費用(登録免許税・司法書士報酬)
- 火災保険料・地震保険料
- 融資手数料・印紙代
- 外構工事や地盤調査など、建物本体に関わる工事費用
- 設計・監理費用、建築確認申請費用 など
諸費用をまとめて借り入れできる分、現金の準備が最小限で済むのがメリットです。
しかし、その分ローン総額が増えるため、毎月の返済額や総支払額に注意しましょう。
諸費用の種類や金額について詳しく知りたい方は、以下の記事をあわせて参考にしてください。
【関連記事】建売住宅の諸費用ってどれくらい?3,000万円の建売住宅の費用シミュレーションも紹介
方法②:諸費用ローンに組み込む
諸費用ローンは、住宅ローンとは別に、登記費用や保険料などの諸費用だけを対象に組む補助的なローンです。
オーバーローンと異なり、本体価格には使えず、あくまで周辺費用をまかなうための独立したローンになります。
借入額は物件価格の3〜10%ほどが目安とされ、たとえば3,000万円の建売住宅なら、およそ100万〜300万円程度の借り入れになるケースが一般的です。
諸費用ローンでカバーできる費用の例は、次のとおりです。
- 仲介手数料
- 登記費用(登録免許税・司法書士報酬など)
- 火災・地震保険料
- 融資手数料・印紙代
- 引っ越し費用や仮住まい費用などの周辺費用
オーバーローンと比べて利用できる金融機関が少なく、金利もやや高めに設定される傾向があります。
しかし、さまざまな費用をカバーできる諸費用ローンは資金に不安がある方にとって選択肢の1つです。
建売を購入する際に諸費用を住宅ローンに組み込むメリット・デメリット

建売住宅を購入する際に諸費用を住宅ローンに組み込むことを検討している方は、メリットとデメリットの両方を理解しておくことが大切です。
ここでは、諸費用を住宅ローンに組み込む前に知っておきたいメリットとデメリットを整理して解説します。
メリット
住宅ローンに諸費用を組み込む方法には、次のようなメリットがあります。
- 手元資金が少なくても住宅を購入できる
- 頭金や諸費用を貯める時間を短縮できる
- 諸費用分も住宅ローン控除の対象になる場合がある
- 返済を一本化できるため管理がラクになる
特に大きな魅力は、まとまった現金を用意しなくても家を買えるという点です。
頭金や諸費用を貯めるには時間がかかるため、良い物件が見つかったタイミングですぐに動きたいといった場合にも柔軟に対応できます。
また、諸費用の一部が住宅ローン控除の対象となる場合は、節税につながり支払いをまとめられ、家計の管理もスムーズになります。
デメリット
住宅ローンに諸費用を組み込む場合、次のようなデメリットがあります。
- 借入額が増えるため、総返済額も増える
- 諸費用にも住宅ローンの金利がかかる
- 毎月の返済負担が大きくなる可能性がある
- 諸費用だけの借入と比べて自由度が低くなる
諸費用をローンに含めると、その分借入額が増えるため、元本だけでなく利息の支払いも多くなります。
とくに数十万円規模の諸費用でも、数十年単位で金利がかかり、最終的な返済総額は想像以上に膨らむケースも少なくありません。
住宅ローンは金利が低めに設定されている点が魅力ですが、返済期間が長くなることで、結果的に利息の総額が増えやすくなります。
そのため、長期的な負担にも目を向けておきましょう。
建売を購入する際に諸費用をローンに組み込む場合の注意点

ここでは、諸費用をローンに組み込む際に気をつけたいポイントや、事前に確認しておくべき4つの注意点を解説します。
- 利用可能な金融機関が限定される
- 組み込めない諸費用もある
- 審査が厳しくなる
- 諸費用以外にも資金が必要になる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
注意点①:利用可能な金融機関が限定される
住宅ローンに諸費用を組み込めるかどうかは、金融機関によって対応が分かれます。
すべての銀行やローン商品がオーバーローンに対応しているわけではないため、利用を検討している金融機関が可能か、あらかじめ確認しておきましょう。
また、組み込める諸費用の範囲も金融機関によって異なります。
たとえば、登記費用や火災保険料は対応していても、仲介手数料や引っ越し費用は対象外とされるケースもあります。
ローンの種類によって条件が細かく設定されている場合もあるため、契約前にしっかり確認しておくことが大切です。
注意点②:組み込めない諸費用もある
住宅ローンに組み込めない費用がある点に、注意しましょう。
主な例は、以下のとおりです。
- 不動産取得税
- 固定資産税
- 都市計画税
- 家具・家電の購入費用
- 引っ越し費用
- 購入申込み時の手付金や申込金
これらの費用は、住宅購入後や住宅本体の取得に直接関係しない支出として、多くの金融機関で対象外とされています。
住宅ローンでまかなえない分は、諸費用ローンなど別の手段で補う必要があるため、あらかじめ「どの費用が住宅ローンに含められるか」を確認しておきましょう。
注意点③:審査が厳しくなる
諸費用を住宅ローンに組み込むと、その分借入額が増えるため、審査のハードルも上がります。
「より多くのお金を貸す=リスクが高まる」と判断され、収入や勤続年数、ほかのローン状況などを厳しくチェックされる可能性があるためです。
とくに、年収に対する借入額の割合が高くなると、返済負担率の基準に引っかかるケースもあるため注意しましょう。
場合によっては、希望通りの金額が借りられないケースもあります。
事前に返済シミュレーションを行い、無理のない範囲で借り入れできるかどうかを確認しておきましょう。
注意点④:諸費用以外にも資金が必要になる
諸費用をすべてローンでまかなえたとしても、それ以外に現金で準備しておくべき資金があります。
主なものは以下の通りです。
- 契約時に必要な手付金
- 印鑑証明書や住民票などの取得費
- 入居後の生活資金
とくに手付金は、売買契約を結ぶ際に現金で支払うのが一般的で、数十万円以上になることもあります。
また、入居後は生活環境を整えるための出費も意外と多く、見落としがちです。
住宅ローンや諸費用ローンではカバーしきれない支出があるため、資金ゼロで建売住宅を購入するのは現実的ではありません。
無理のない資金計画を立てたうえで、ローンをどう活用するかを検討しましょう。
失敗しない建売住宅の選び方について知りたい方は、以下の記事をあわせて参考にしてください。
【関連記事】建売住宅の賢い選び方!7つのポイントで徹底解説【後悔しない】
【間取り例付き】資金計画の相談はアサヒグローバルホームへ
こちらの間取りの注目ポイントは、以下の2点です。
- キッチン、ランドリールーム、ファミリークローゼットが直線でつながる、効率的な家事動線
- パントリーをはじめ、生活スタイルに合わせた使いやすい収納を各所に完備
キッチンとランドリールーム、ファミリークローゼットが一直線につながることで、洗濯や収納が1ヵ所で完結する間取りです。
また、浴室や洗面室といった水まわりも無駄なくまとまり、家事の負担を大きく軽減します。
室内全体がすっきり見える設計で、忙しい日常もストレスなく快適に過ごせます。

さらに、各部屋にはそれぞれ収納が設けられており、子ども部屋や寝室もすっきりとした空間になっています。
ストック品をまとめておけるパントリーや、使う人の動線を考えたシューズインクローゼットなど、暮らしの細かいシーンに対応できる工夫も満載です。
アサヒグローバルホームでは、こうした住まいのご提案に加え、資金計画に関するご相談も承っています。
ローンの組み方や予算の立て方など、気になる点があれば見学予約・建売物件のお問い合わせから、お気軽にご相談ください。
まとめ:建売を購入する際に諸費用をローンに組み込むべきか慎重に判断しよう

建売住宅の購入にかかる諸費用は、住宅ローンや諸費用ローンを活用することで手元資金の負担を軽くできます。
ただし、利用できる金融機関や組み込める費用の範囲には制限があり、借入額が増えると審査が厳しくなる可能性もあります。
資金計画を立てる際は、ローンの仕組みや条件をしっかり理解したうえで、無理のない返済ができるかどうかを見極めることが大切です。
必要に応じて専門家に相談しながら、将来を見据えた無理のない住まい選びを進めていきましょう。
アサヒグローバルホームでは、愛知県・岐阜県・三重県の建売物件を多数ご用意しています。
当社の物件が気になる方は、「物件を探す」ページをご覧ください。
【関連記事】「建売にすればよかった」後悔する人の5つの理由は?注文住宅との違いも解説
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この記事の監修
足立 克久
2005年アサヒグローバルホーム入社
入社後、宅建士、建築士などの資格を取得。
その知識を生かし、分譲住宅、注文住宅の契約を300棟以上担当。
現在は東海三県の土地仕入れ、分譲住宅の開発に携わりながら住宅を販売している。
