35坪で無駄のない間取りにするメリットは?利便性向上ポイントも紹介

家の購入を検討する際、「35坪で無駄のない間取りにすると快適に暮らせるのだろうか」と考える方もいるでしょう。
35坪は暮らしやすさとコストのバランスに優れた広さですが、間取りや動線を十分に配慮しなければ、狭く感じてしまう場合があります。
この記事では、35坪で無駄のない間取りにするメリットを解説します。
無駄のない間取りをつくるポイントもまとめているので、35坪の家で快適な暮らしを実現したい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
35坪で無駄のない間取りにするメリット

35坪で無駄のない間取りにするメリットは、以下の3つです。
- 居住空間を広くできる
- スムーズに移動できる
- 収納スペースを確保できる
それぞれ見ていきましょう。
メリット①:居住空間を広くできる
35坪の住まいを無駄なく設計すると、家族がゆったり過ごせる居住空間を確保できます。
厚生労働省の「住生活基本計画における居住面積水準」によると、世帯人数別に快適に暮らす目安として、次の2つがあります。
- 最低居住面積水準:健康で文化的な生活を送るために必要な最低限の面積
- 誘導居住面積水準:より快適でゆとりある暮らしを実現するための目標面積
それぞれの目安は、以下のとおりです。
世帯人数 | 最低居住面積水準 | 誘導居住面積水準 |
1人 | 7.6坪(25㎡) | 12.1坪~16.6坪(40㎡~55㎡) |
2人 | 9.1坪(30㎡) | 16.6坪~22.7坪(55㎡~75㎡) |
3人 | 12.1坪(40㎡) | 22.7坪~30.3坪(75㎡~100㎡) |
4人 | 15.1坪(50㎡) | 28.7坪~37.8坪(95㎡~125㎡) |
4人世帯の場合、誘導居住面積水準は28.7坪〜37.8坪(95㎡〜125㎡)が目安とされています。
35坪(115.7㎡)の住まいは、無駄のない間取りを意識することで、家族構成に合わせて快適に暮らせる広さを確保できます。
その上で、廊下やデッドスペースを最小限に抑えるなど、設計を工夫すれば必要な空間を備えながら開放感を生む間取りが可能です。
詳しい間取りの考え方や家族4人が快適に暮らすためのレイアウトの工夫は、こちらの記事でも解説しています。
【関連記事】4人家族に理想の間取りは?最適な広さ・部屋数・配置のポイントを解説
引用元:厚生労働省|住生活基本計画における居住面積水準
メリット②:スムーズに移動できる
無駄のない間取りは、家の中をスムーズに移動できる点もメリットです。
動線を整える工夫を取り入れると、日々の家事効率が向上します。
キッチン・洗面室・物干しスペースまでが短い距離でつながっていると、料理と洗濯を並行して進めやすくなります。
朝の忙しい時間帯に家族がぶつからない設計も、暮らしの快適さを高めるポイントです。
日々の移動が楽になることで、時間と心にゆとりが生まれるでしょう。
メリット③:収納スペースを確保できる
間取りの無駄をなくすと、移動用の空間などを収納として活用できるため、十分な収納スペースを確保しやすくなります。
例えば、キッチン横のパントリーや家族の衣類をまとめるクローゼットなど、適材適所に収納を設けることで、物が散らからず掃除の手間も軽減できます。
計画的な収納配置は、すっきりと片付いた快適な住まいを保つための大切なポイントです。
35坪で無駄のない間取りをつくる5つのポイント

35坪で無駄のない間取りを作るには、以下の5つのポイントがあります。
- 廊下をなくす
- 回遊動線を取り入れる
- 水回りを集約する
- デッドスペースを活用する
- 縦の空間を活かす
それぞれ見ていきましょう。
ポイント①:廊下をなくす
35坪の間取りを有効活用するには、廊下をなくすのが効果的です。
移動専用の空間を減らすことで、住まい全体の利便性を高めます。
例えば、リビング階段を採用して1階の廊下をなくしたり、2階ホールを各部屋へ直接アクセスできるようにしたりします。
廊下をなくした分の2〜3畳の面積は、収納や居住スペースに充てることも可能です。
廊下をなくす間取りは、限られた面積を最大限に活かし、開放的な住まいをつくる上で重要なポイントになります。
ポイント②:回遊動線を取り入れる
回遊動線とは、家の中を行き止まりなく移動できる設計のことです。
家の中を回遊できると、日々の家事や生活の効率が向上します。
例えば、キッチンからパントリーを通り洗面室へ抜ける間取りは、料理と洗濯を同時進行しても短い距離で移動できます。
朝の忙しい時間帯に家族がぶつかりにくいのも利点です。
回遊動線を取り入れた間取りは、無駄のない快適な住まいづくりに欠かせない工夫といえるでしょう。
回遊動線の詳しい実例や家事効率を高める間取りアイデアは、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
【関連記事】回遊動線の間取りにはランドリールームがおすすめ?家事楽アイデアも紹介
ポイント③:水回りを集約する
無駄のない間取りを考える上で水回りを1つの場所に集約することは、家事動線とコストの両面で効果的です。
キッチンと洗面脱衣室を隣接させれば料理をしながら洗濯ができるため、家事を効率良く進められます。
また、給排水の配管を短くまとめられるので、工事費用や将来のメンテナンスコストを抑える効果も期待できます。
日々の家事負担を軽くし、建築コストも削減できる水回りの集約は、合理的な住まいづくりに欠かせないポイントです。
ポイント④:デッドスペースを活用する
デッドスペースを収納に活用すると、限られた空間を効率的に使えます。
階段下は掃除用具や日用品のストック置き場に、キッチンの床下収納は保存食の保管に活用できます。
また、壁の厚みを利用したニッチを設ければ、雑貨や植物を飾って空間をおしゃれに演出することも可能です。
小さな空間も見逃さない工夫が、35坪の家をより快適に暮らすためのポイントといえるでしょう。
ポイント⑤:縦の空間を活かす
縦の空間を上手に活かすと、床面積を増やすことなく開放的な住まいになります。
視線が上下に抜ける設計は、実際の面積以上の広がりを感じさせるのが特徴です。
例えば、リビングに吹き抜けを設ければ、高い位置から光が差し込む心地よい空間になります。
一部分の天井を高くする「高天井」も、空間に変化と奥行きを与えるのに効果的です。
縦への工夫は、平面的な広さ以上のゆとりを演出し、35坪の間取りを無駄なく快適にするための重要なポイントになります。
アサヒグローバルホームでは、ご家族の暮らし方に合わせて、35坪前後の家を「無駄なく広く使う」間取りを提案しています。
実際の施工事例やプランを知りたい方は、お問い合わせからお気軽にご相談ください。
【約35坪】無駄のない間取り成功例2選
35坪の無駄のない間取り成功例は、以下のとおりです。
- 適材適所に収納スペースを設けた2階建ての家
- 効率性を重視した2階建ての家
家づくりの参考として、間取りを見ていきましょう。
間取り①:適材適所に収納スペースを設けた2階建ての家
こちらの間取りの注目ポイントは以下の2点です。
- 書斎スペース+カウンターで家族それぞれの時間を確保
- 水回りを1か所に集約し家事効率アップ
書斎+カウンターは、限られた延床面積の中でも廊下や無駄な仕切りを増やさず、「用途を両立」できる効率的な設計です。
空間の多機能化によって、居住性と利便性のバランスを高めています。

また、1階のキッチン・洗面・浴室を一直線に配置し、料理・洗濯・掃除の動線を短縮しています。
家事をスムーズに行える回遊型の水回り動線で、時間と労力を無駄にしない暮らしがかなうでしょう。
間取り②:効率性を重視した2階建ての家
こちらの間取りの注目ポイントは、以下の2点です。
- 家事効率を高める一直線の水回り動線
- 玄関から続くスムーズな生活動線
キッチン・ランドリールーム・浴室を一直線に配置し、料理・洗濯・掃除を最短ルートで動ける間取りが特徴です。
複数の家事を同時進行しやすく、限られた面積でも効率よく動ける間取りになっています。

また、玄関から土間収納・洗面室・ファミリークローゼットへと自然につながる動線を確保しています。
外出準備や帰宅後の片付けが1か所で完結し、家の中を汚さずに動ける実用性の高い設計です。
まとめ:35坪の家を建てる際は無駄のない間取りづくりが重要

35坪の家は、無駄のない間取りにすることで、コストと快適性のバランスが取れた暮らしやすい広さになります。
廊下を減らし水回りをまとめれば、限られた面積でも開放感と利便性を両立させられます。
回遊動線や収納計画・吹き抜けなどの工夫で、暮らしやすさが向上し、心地よく過ごせる住まいへと近づくでしょう。
アサヒグローバルホームでは、35坪前後の住まいに最適な間取り提案を行っています。
家族構成やライフスタイルに合わせた家づくりを実現したい方は、物件を探すページから理想の住まいをチェックしてみてください。
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この記事の監修
足立 克久
2005年アサヒグローバルホーム入社
入社後、宅建士、建築士などの資格を取得。
その知識を生かし、分譲住宅、注文住宅の契約を300棟以上担当。
現在は東海三県の土地仕入れ、分譲住宅の開発に携わりながら住宅を販売している。

