年収800万円が組める住宅ローンはいくら?無理なく返せる額も解説

国税庁の「令和6年分民間給与実態統計調査」によると、日本の平均年収は478万円です。
年収800万円は平均を上回るため、住宅ローンの借入可能額も大きくなります。
とはいえ、年収800万円の人が実際にどのくらい住宅ローンを組めるのか気になる方もいるでしょう。
この記事では、年収800万円の人が組める住宅ローンの借入可能額についてまとめました。
無理なく返せる額の目安や、住宅ローンを組む際に注意すべきポイントも紹介するので、年収800万円でマイホーム購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
引用元:国税庁|令和6年分民間給与実態統計調査
目次
年収800万円の人が組める住宅ローンはいくらまで?借入可能額の目安
年収800万円の人が組める住宅ローンの目安を把握する方法は、以下の2つです。
- 年収倍率から算出した場合
- 返済負担率から算出した場合
計算方法や借入目安について、それぞれ解説するので参考にしてください。
年収倍率から算出した場合
年収倍率とは、住宅ローンを組む人の年収と物件購入価格の比率を表した数値のことです。
年収倍率は、「住宅ローンの借入額÷年収」で算出できます。
例えば、年収800万円の人が4,000万円の物件を購入する際の年収倍率は5倍です。
住宅金融支援機構の「2024年度フラット35利用者調査」によると、以下のとおり、住宅のタイプ別に年収倍率が異なることがわかりました。
住宅のタイプ | 年収倍率 |
注文住宅(土地付き) | 7.6倍 |
新築マンション | 7.2倍 |
注文住宅 | 6.9倍 |
建売住宅 | 6.7倍 |
中古マンション | 5.5倍 |
中古戸建住宅 | 5.3倍 |
購入する住宅のタイプにもよりますが、年収倍率は5〜7倍が一般的です。
つまり、年収800万円の人は5,600万円ほどが借入上限額の目安と考えられます。
引用元:住宅金融支援機構|2025年2024年度フラット35利用者調査
返済負担率から算出した場合
返済負担率とは、ローンを借入する人の年収に対して、年間返済額の割合を示したものです。
一般的に、返済負担率は25%以内に抑えるのが理想といわれています。
返済負担率は、「年間ローン返済額÷年収×100=返済負担率(%)」で計算できます。
たとえば、年収800万円の人が6,000万円35年ローンで借入する場合、年間のローン返済額は約170万円です。
返済負担率の計算に当てはめると、返済負担率は21%になります。
年間ローン返済額は、住宅ローン以外の借入れも含める必要がある点に注意が必要です。
年収800万円の人が住宅ローンを無理なく返せる額の目安

ここからは、年収800万円の人が住宅ローンを無理なく返せる返済額の目安を固定金利と変動金利に分けて解説します。
固定金利と変動金利の違いは、以下のとおりです。
金利のタイプ | 特徴 |
固定金利 |
|
変動金利 |
|
また、返済額は次の条件で試算します。
- 頭金:なし
- ボーナス:なし
- 借入期間:35年
- 返済方法:元利均等返済
金利は銀行によって異なるため、あくまで目安として参考にしてください。
目安①:3,000万円借入した場合
年収800万円の人が3,000万円借入した場合の返済額は、以下のとおりです。
10年固定金利(金利1.9%) | 変動金利(金利0.5%) | |
月々の返済額目安 | 9.8万円 | 7,9万円 |
年間の返済額目安 | 118万円 | 91万円 |
返済負担率 | 15% | 12% |
月々の返済額は、8万円〜10万円になります。
年収800万円の人が3,000万円を借入した場合、返済負担率は12〜15%ほどなので負担を感じず返済できるといえるでしょう。
引用元:三菱UFJ銀行|住宅ローン新規借入シミュレーション
目安②:4,000万円借入した場合
年収800万円の人が4,000万円借入した場合の返済額は、以下のとおりです。
10年固定金利(金利1.9%) | 変動金利(金利0.5%) | |
月々の返済額目安 | 13万円 | 10万円 |
年間の返済額目安 | 156万円 | 120万円 |
返済負担率 | 19% | 15% |
月々の返済額目安は、10万円〜13万円になります。
年収800万円の人が4,000万円を借入した場合、返済負担率は15〜19%ほどなので、3,000万円と同様に家計を圧迫せず返済できると指標といえます。
引用元:三菱UFJ銀行|住宅ローン新規借入シミュレーション
目安③:5,000万円借入した場合
年収800万円の人が5,000万円借入した場合の返済額は、以下のとおりです。
10年固定金利(金利1.9%) | 変動金利(金利0.5%) | |
月々の返済額目安 | 16万円 | 13万円 |
年間の返済額目安 | 192万円 | 156万円 |
返済負担率 | 24% | 19% |
月々の返済額目安は、13万円〜16万円になります。
年収800万円の人が5,000万円を借入した場合、返済負担率は19〜24%ほどとやや高くなるので、金利を慎重に検討する必要があります。
引用元:三菱UFJ銀行|住宅ローン新規借入シミュレーション
目安④:6,000万円借入した場合
年収800万円の人が6,000万円借入した場合の返済額は、以下のとおりです。
10年固定金利(金利1.9%) | 変動金利(金利0.5%) | |
月々の返済額目安 | 19万円 | 15万円 |
年間の返済額目安 | 228万円 | 180万円 |
返済負担率 | 28% | 22% |
月々の返済額目安は、15万円〜19万円になり、月々の負担が大きくなります。
また、年収800万円の人が6,000万円を借入した場合、返済負担率は22〜28%ほどと、金利によっては適正基準を超えています。
6,000万円を借入する際は、月々の返済が可能か資金計画を慎重に検討することが大切です。
引用元:三菱UFJ銀行|住宅ローン新規借入シミュレーション
年収800万円の人が住宅ローンを組む際に注意すべきポイント

年収800万円の場合、限度額上限まで住宅ローンを組む際は注意しなければなりません。
高収入だからこそ注意すべきポイントは、以下の3つです。
- 定年退職後は収入が大幅にダウンする
- 団体信用生命保険の保障内容を確認する
- 夫婦合算の場合は片方が払える借入額に設定する
それぞれ見ていきましょう。
ポイント①:定年退職後は収入が大幅にダウンする
年収800万円の人が住宅ローンを組む際は、定年退職後の返済を想定しておく必要があります。
定年退職後、年金のみの収入源になった場合は返済が苦しくなる可能性があるためです。
日本年金機構の令和7年4月分からの年金額は、以下のとおりです。
令和7年度(月額) | |
国民年金(老齢基礎年金※満額の場合) | 69,308円 |
厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額) | 232,784円 |
年収800万円の人の手取り年収の目安は600万円ほどのため、月額にすると約50万です。
国民年金と夫婦2人分の厚生年金を満額受け取った場合、30万と考えると、老後は20万円ほど収入に差異が生じます。
定年までに完済計画を立てる、もしくは老後も無理なく返済できる金額を検討することが大切です。
引用元:日本年金機構|2025年令和7年4月分からの年金額等について
ポイント②:団体信用生命保険の保障内容を確認する
団体信用生命保険(以下・団信)とは、契約者に万が一のことがあった場合に住宅ローン返済の必要がなくなる保険で、多くの金融機関で加入を融資条件にしています。
一般的に、団信は契約者が死亡、もしくは所定の高度障害状態時に保障される保険です。
しかし、なかには3大疾病や所定の身体状態、要介護状態など特約付きの保障を用意している金融機関もあります。
特約は、金融機関によって異なる点に注意が必要です。
例えば、契約者がローン返済中に三大疾病にかかっても、特約がついていなければ返済しなければなりません。
月々10万円返済していた場合、契約者が働けなくなった際に払うのが困難になる可能性もあるでしょう。
どのような特約がついているのか、団信の保障内容を必ず確認し、もしもに備えることが大切です。
ポイント③:夫婦合算の場合は片方が払える借入額に設定する
夫婦の年収を合算して800万円の場合、どちらに収入の変化があったときのリスクを考慮のうえ返済額を検討しましょう。
住宅ローンは、10年以上の長期で組むケースが一般的です。
返済している間に、病気や介護により収入が減ってしまうのはもちろん、想定外の大きな出費がかさむ可能性は十分考えられます。
片方が払える借入額にしておかなければ、収入ダウン時に家計を圧迫する原因となります。
万が一を想定して、返済額を決めるのがポイントです。
建売住宅の寿命について知りたい方は、以下の記事をあわせて参考にしてください。
【関連記事】建売住宅の寿命は?注文住宅との違い・長寿命化のポイント・選ぶコツを解説
年収800万円の人が控除などの優遇制度を最大活用する方法

住宅ローンを組んで新築住宅を取得する場合、一定の要件を満たすことで住宅ローン控除が可能です。
住宅ローン控除とは、最大13年間、借入額残高の0.7%を控除できる制度になります。
年収800万円の人は納税額が大きいため、住宅ローン減税効果を有効活用できます。
住宅ローン減税を受けるには、省エネ基準に適合する必要があるため、認定住宅やZEH水準の省エネ住宅を選ぶことがポイントです。
当社アサヒグローバルホームでは、認定住宅やZEH水準の省エネ住宅を多数販売しています。
優遇制度を最大活用できる物件をお探しの方は、「物件を探す」ページよりご覧ください。
引用元:国土交通省|住宅ローン減税
引用元:国土交通省|住宅の供給に携わる事業者の皆様へ
アサヒグローバルホームで購入できる約4,000万円の間取り例
こちらは、アサヒグローバルホームで購入できる約4,000万円の間取り例です。
ただし、借入年数35年、金利0.6%のシミュレーションでの概算となるため、あくまで目安として参考にしてください。
こちらの平屋の注目ポイントは、以下の2つです。
- 2WAYタイプを採用しており、玄関がすっきり片付く
- 共同スペースとプライベートスペースをゾーン分けしている
玄関は2WAY仕様のため、ベビーカーや車いす、アウトドアワゴンなどを来客に見せずに収納可能です。
すっきりした空間となり、広々とした玄関に見せられるのも魅力といえます。
また、こちらはL字型タイプになっており、プライベート空間とLDKを分けた間取りになっているのが特徴です。
平屋のデメリットとなりがちな個々のプライベート空間を確保できるため、家族全員が快適に過ごせるでしょう。
平屋をL字型にするメリットについて知りたい方は、以下の記事をあわせて参考にしてください。
【関連記事】平屋をL字型間取りにするメリットは?25坪・35坪の施工事例も紹介
まとめ:年収800万円の人が組む住宅ローン平均をもとに無理のない返済計画を

年収800万円の人が住宅ローンを組む目安は、年収倍率で算出すると5,600万円ほどが借入額の上限になります。
利用する金利によっても返済額は変わるため、返済負担率を参考に検討することが大切です。
また、上限ギリギリまで借入てしまうと、老後や万が一病気や介護で働けなくなった際に、返済が負担になる可能性が考えられます。
住宅ローン平均をもとに、無理のない返済計画を立てましょう。
アサヒグローバルホームでは、予算にあった物件を多数販売しています。
物件ページごとにローンシミュレーションも可能なため、ぜひ「物件を探す」をご覧ください。
【関連記事】建売住宅と注文住宅どっちが良い?メリットとデメリットから違いを解説
【関連記事】建売住宅とマンションどっちが良い?メリット・デメリット・費用を比較
【関連記事】新築建売住宅と中古住宅どっちが良い?メリット・デメリット・違いを紹介
この記事の監修
足立 克久
2005年アサヒグローバルホーム入社
入社後、宅建士、建築士などの資格を取得。
その知識を生かし、分譲住宅、注文住宅の契約を300棟以上担当。
現在は東海三県の土地仕入れ、分譲住宅の開発に携わりながら住宅を販売している。
