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2025年09月22日

建売住宅における耐震等級の違いは?等級3のメリット・デメリットを解説

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日本は、複数のプレートが折り重なる場所に位置しており、世界でも地震大国として知られています。
そのため、家を選定する際に耐震性に注目する方は多いでしょう。

耐震等級が高い家は、災害時のダメージを抑えられます。
家づくりにおいて、各等級の強度を理解したうえで、ご自身にあった建売住宅を検討することが大切です。

この記事では、建売住宅における耐震等級の違いについて解説します。
等級3のメリット・デメリットや、耐震性の調べ方なども紹介するので、家選びで迷っている方は今後の参考にしてください。

 

建売住宅における耐震等級の違い

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建売住宅における耐震等級は、以下のように3つあります。

  1. 耐震等級1
  2. 耐震等級2
  3. 耐震等級3


耐震等級とは、
地震に対して構造躯体の倒壊しにくさを示しています。
等級の数字が高くなれば、より倒壊しにくいという指標です。
ここでは、各等級の違いをまとめているので、ぜひ参考にしてください。

 

違い①:耐震等級1

耐震等級1は、数百年に1回程度起こる極めてまれな地震に対して倒壊・崩壊しない程度を指します。
建築基準法のレベルになるため、遵守しなければいけない最低限のラインです。

耐震等級1は、家を建てる際に必須となる基準です。
あくまで最低限のラインであることを理解し、選定しましょう。

引用元:国土交通省国土技術政策総合研究所|住宅を選定する時に候補となる住宅の基本性能

 

違い②:耐震等級2

耐震等級2は、数百年に1回程度起こる極めてまれな地震による力×1.25倍に対して倒壊・崩壊しない程度を指します。
耐震等級1が建築基準法の最低限度であれば、耐震等級2は建築基準法の1.25倍です。

学校や病院など、災害時に避難場所として使用される建物は、耐震等級2程度の強度を備える必要があります。

平屋の耐震性について詳しく知りたい方は、以下の記事をあわせてご覧ください。

【関連記事】平屋が地震に強いのは本当か?倒壊しにくい理由や耐震性を高める対策を解説

引用元:国土交通省国土技術政策総合研究所|住宅を選定する時に候補となる住宅の基本性能

 

違い③:耐震等級3

耐震等級3は、数百年に1回程度起こる極めてまれな地震による力×1.5倍に対して倒壊・崩壊しない程度を指します。
警察署や消防署など、災害時の救護活動の拠点となる建物は、耐震等級3程度の強度が必要です。

なお、2016年4月に発生した熊本地震では、耐震等級3の住宅で大破・倒壊はなかったといわれています。
耐震等級のなかでは倒壊しにくい指標となるため、耐震性が不安な方は耐震等級3の住宅を選ぶとよいでしょう。

引用元:国土交通省国土技術政策総合研究所|住宅を選定する時に候補となる住宅の基本性能

 

耐震等級3の建売住宅を選ぶメリット

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耐震等級3の建売住宅を選ぶメリットは、以下の3つです。

  1. 地震による被害を軽減できる
  2. 地震保険料の負担を抑えられる
  3. 長期優良住宅の認定を受けられる


耐震等級3の建売住宅は安全・安心に暮らせるだけでなく、さまざまな面でメリットがあることを理解しましょう。

 

メリット①:地震による被害を軽減できる

耐震等級3は、数百年に1回程度まれに起こる地震の力×1.5倍に対しても、倒壊・崩壊しない程度の強い基準です。
大きな地震があっても、家だけでなく、家の中にいる家族を守れるのが1番のメリットです。
2016年に発生した熊本地震における被害を、耐震等級1と耐震等級3で比較すると下記のようになりました。

 

倒壊

大破

軽微

無被害

耐震等級1

2.3%

4%

33.6%

60.1%

耐震等級3

0%

0%

12.5%

87.5%


耐震等級1では倒壊や大破があるのに対し、耐震等級3ではどちらもありません。
倒壊や大破してしまうと、その後の生活にも支障をきたします。

地震があっても、そのまま家に住み続けられれば、心も体もストレスやダメージを少なくして生活ができるでしょう。

引用元:国土交通省 住宅局|「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書のポイント

 

メリット②:地震保険料の負担を抑えられる

耐震等級3の住宅は、地震保険料の優遇を受けやすくなるのもメリットの1つです。
地震保険は火災保険に含まれていないことが多く、付帯や別会社で探す必要があります。

耐震等級3の住宅は、倒壊や崩壊がしにくい構造のため、地震保険料が割引されたり、安くなったりするのです。

また、地震保険料だけでなく住宅ローンの金利優遇も受けられ、金銭面で有利な点があります。
地震保険料や住宅ローンの金利優遇は、事前に適用されるかどうか調査しましょう。

 

メリット③:長期優良住宅の認定を受けられる

長期優良住宅には、以下4つの項目で認定基準を満たす必要があります。

  1. 劣化対策
  2. 耐震性
  3. 省エネルギー性
  4. 維持管理・更新の容易性


耐震性については、耐震等級2または耐震等級3という明確な基準があります。
長期優良住宅に認定されるためには、他も満たす必要がありますが、まず耐震等級1の場合は受けられないため注意が必要です。

長期優良住宅として認定されれば、住宅ローンの金利引き下げや税の特例措置など、金銭面での優遇があります。
地震被害を最小限にしながら、長期優良住宅など金銭面での優遇も受けたい方は、耐震等級3の住宅を選びましょう。

アサヒグローバルホームでは、引き渡し後の定期的なメンテナンスや無償点検などを実施しています。
耐震性も重要ですが、建物の維持管理も大切です。
当社のアフターサポートについて、さらに詳しく知りたい方は当社ホームページ「わたしたちのこだわり」をご覧ください。

引用元:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会|2025年長期優良住宅認定制度の概要について

 

耐震等級3の建売住宅を選ぶデメリット

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耐震等級3の建売住宅を選ぶデメリットは、以下の2つです。

  1. コストが高くなる
  2. 物件の選択肢が限られる


メリットとデメリットを理解したうえで、ご自身にあった耐震等級を備えた建売住宅を検討しましょう。

 

デメリット①:コストが高くなる

耐震等級3は、建築コストが高くなってしまいがちです。
耐震性に長けている耐震等級3の住宅は、柱を太くしたり、特殊な材料を使用したりと頑丈につくられている点が理由になります。

また、耐震等級の認定を受けるための費用も発生するため、コストはどうしても高くなります。
耐震性を重視する場合は、購入コストが高くなる可能性がある点について理解しておきましょう。

 

デメリット②:物件の選択肢が限られる

耐震等級3の住宅はコストもかかるため、一般的に多くはありません。
また耐震性を重視している物件は、住宅の形や間取りが限られます。

たとえば、大きな吹き抜けやインナーガレージなどにはできない可能性もあるため、ご自身の希望と照らし合わせながら検討するとよいでしょう。
ご自身の好みと耐震性、どちらを取るかご家族で相談することがおすすめです。

 

建売住宅における耐震性の調べ方

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建売住宅における、耐震等級以外の調べ方は以下の3つです。

  1. 地盤調査の確認
  2. 建物の工法
  3. 施工品質


地盤は建物の基礎となる部分であり、耐震性に大きな影響を与えます。
埋立地であれば、地盤沈下や液状化の可能性も示唆されるため、地盤調査はしっかり行いましょう。

また、建築会社の広告によっては「耐震等級3相当」と記載されている場合があります。
相当とは、国や自治体の認定を受けていないものの、耐震等級3と同等の性能を持っているという意味です。

実際に認定を受けるためには、お金をかけて申請する必要があります。
長期優良住宅の認定を受けるには、耐震等級3相当でなく認定の必要があるため、注意しましょう。

 

耐震等級のほかに確認すべき注意点

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耐震等級のほかに注意すべきは、住宅だけでなく地盤などの環境にも目を向けるという点です。

建売住宅では、基礎工事から見られない場合も多くあります。
そのため、地盤調査などでもともとの地盤の強さを確認する必要があります。

また、耐震性に優れている工法があるため、家づくりを検討する際は耐震性以外にも確認することが大切です。
耐震等級以外に確認すべき点がわからなければ、工務店に確認するのもおすすめです。

 

【間取り例】耐震機能を備えたアサヒグローバルホーム建売住宅

外観>>お気に入りの建売物件を探す


こちらの間取りの注目ポイントは、以下の2つです。

  1. キャットウォークやドッグスペースがあるペットと暮らせる家
  2. 地盤調査と耐震ダンパーが標準設備


ペットを含めたご家族のライフスタイルに合わせた、全員が過ごしやすい間取りになっています。
玄関から入り、ドッグスペースと洗面台がつながっているため、お散歩帰りに足を洗うのも楽な動線です。

間取り図

間取り図

地盤調査と耐震ダンパーが標準仕様で入っているため、耐震が気になる方にはうってつけの家です。
耐震ダンパーは最大95%の揺れを吸収するため、耐震性に優れ倒壊や崩壊の危険性を減らします。

耐震ダンパーの性能や種類など、さらに詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。

【関連記事】制震ダンパーとは?得られる効果や種類、ミライエを搭載した間取り例を紹介

 

まとめ:建売住宅を検討する際は耐震等級の確認も重要

LDK

建売住宅の購入を検討する際は、耐震等級を確認することが大切です。
耐震等級とは、地震が起こった際にどれだけの揺れに耐えられるかを示すもので、等級3がより倒壊しにくいという指標になっています。

耐震等級3であれば、長期優良住宅の認定を受けられるため、地震被害が不安な方にはおすすめです。
ただし、耐震等級だけにとらわれず、地盤や工法などにも着目し、総合的に判断するとよいでしょう。

アサヒグローバルホームでは、耐震性に優れた建売住宅を取り扱っています。
当社が提供する物件の耐震性について知りたい方は、「物件を探す」ページからご覧ください。

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この記事の監修

足立 克久

保有資格
宅地建物取引士、木造建築士、住宅ローンアドバイザー、FP3級、福祉住環境コーデイネーター3級、三重県被災建築物応急危険度判定士

2005年アサヒグローバルホーム入社
入社後、宅建士、建築士などの資格を取得。
その知識を生かし、分譲住宅、注文住宅の契約を300棟以上担当。
現在は東海三県の土地仕入れ、分譲住宅の開発に携わりながら住宅を販売している。