建売住宅の購入後に後付け可能なガレージの種類は?費用相場や注意点も解説

建売住宅を購入したあと、ガレージを後付けしたいと考える方もいるでしょう。
ガレージの後付けは、建売住宅を購入したあとでも可能です。
建売住宅を購入したあとにガレージの後付けを検討している場合、敷地条件や費用相場、法的手続きなどを理解しておくことが重要です。
この記事では、建売住宅に後付け可能なガレージの種類や費用相場を解説します。
設置時のメリットやデメリット、注意点も紹介するので、後付けガレージを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
建売住宅の購入後に後付け可能なガレージの種類

建売住宅の購入後に後付け可能なガレージの種類は、以下の2つです。
- 独立型ガレージ
- ビルトインガレージ
各項目ごとに特徴を詳しく見ていきましょう。
種類①:独立型ガレージ
住宅の敷地内に独立したガレージを新設または建て替える場合、リフォーム費用は少なくとも100万円前後を見込んでおきましょう。
現場で組み立てるシャッター付きの既製品ガレージもあり、デザインへのこだわりを抑えれば費用を安くできます。
既製品を利用すれば費用は比較的抑えられますが、オーダーメイドで造作すると高額になるケースがあります。
また、設備にこだわった本格的なガレージは際限なく費用が高くなるため、予算を組む際は注意が必要です。
たとえば、車やバイクの整備設備を備えた本格的なガレージハウスへのリフォームでは、高額になることもあります。
さらに、ガレージは建築物として扱われ、固定資産税の対象にもなるため、維持費についても十分配慮しましょう。
引用元:岡崎市|固定資産税パンフレット
種類②:ビルトインガレージ
ビルトインガレージは、家の中と直接つながる場所にガレージを設置したいご家庭に最適な方法です。
敷地が狭く、独立型ガレージの新設が難しい場合には、1階の部屋を減築し、ガレージにするリフォームする方法もあります。
使わなくなった部屋がある場合は、ビルトインガレージへのリフォームで有効活用を検討してみるとよいでしょう。
ただし、もとの部屋の床や壁、内装を撤去する工事が必要になるため、具体的な費用の内訳を事前にリフォーム会社へ確認しておくことが重要です。
建売住宅に後付けでガレージを設置する際の費用相場

建売住宅に後付けでガレージを設置する場合、種類や規模によって費用相場は大きく異なります。
以下は、種類ごとに施工費込みの費用目安をまとめたものです。
種類 | 1台用 | 2台用 |
独立型ガレージ | 100万円~300万円 | 200万円~600万円 |
ビルトインガレージ | 150万円~350万円 | 400万円~700万円 |
上記の金額はあくまで目安であり、実際の費用は敷地状況や地域、施工内容などにより変動します。
計画を立てる際は、専門業者に見積もりを依頼して具体的な金額を確認することが重要です。
ビルトインガレージは住宅自体の構造変更が必要となり、高額になる傾向があります。
建売住宅にガレージを後付けするメリット・デメリット

建売住宅にガレージを後付けすれば、日常に便利さや安心感をもたらすメリットがある一方、工事費用や維持管理などで注意すべきデメリットもあります。
以下では、そのメリットとデメリットについて詳しく紹介します。
メリット
建売住宅にガレージを設置する主なメリットは以下のとおりです。
- 愛車を雨風や紫外線から守り、盗難やいたずらなどのリスクも軽減できる
- 駐車スペースとしてだけでなく、趣味の作業場や大容量の収納スペースとして多目的に活用できる
- 屋根や壁に囲まれた空間のため、雨天時でも濡れずに車への乗り降りや荷物の積み降ろしが快適になる
近年はライフスタイルの多様化により自宅へのこだわりが強まっているため、ガレージはそのようなニーズを満たす空間といえるでしょう。
ガレージ付き建売住宅について知りたい方は、以下の記事をあわせてご覧ください。
【関連記事】ガレージ付き建売住宅とは?メリット・デメリット・間取り例を解説
デメリット
建売住宅にガレージを設置する場合は、以下のようなデメリットがあるため慎重な検討が必要です。
- 設置工事や維持に費用がかかる
- 車のエンジン音やシャッターの開閉音による騒音が気になる場合がある
- 換気設備や定期的な換気が必要になる
- ガレージ設置に伴い、居住空間や庭が狭くなる可能性がある
デメリットを踏まえたうえで、ガレージ設置によるメリットとのバランスを十分に考えることが大切です。
デメリットがメリットを上回る場合は、無理にガレージを設置せず、カーポートや屋根付き駐車場などを代替手段として検討するとよいでしょう。
建売住宅にガレージを後付けする注意点

建売住宅にガレージを後付けする注意点は、以下の3つです。
- 設置可否の条件が異なる
- 固定資産税がかかる場合がある
- 広さと位置を慎重に検討する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
注意点①:設置可否の条件が異なる
建売住宅にガレージを後付けできるかどうかは、地域の条件により異なります。
建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)は用途地域ごとに定められており、その許容範囲を超えた場合、建築確認が下りません。
建ぺい率が60%の地域で敷地面積が300㎡(90.75坪)の場合、建築できる面積は最大180㎡(54.45坪)です。
150㎡(約45坪)の住宅をすでに建てている場合、残り30㎡(約9坪)までをガレージとして増築可能という計算になります。
また、屋根と柱があるガレージは「建築物」とみなされるため、原則として建築確認申請が必要です。
ただし、10㎡(6.17坪)以下であり、防火地域・準防火地域外などの一定条件を満たす場合は、申請が不要となるケースもあります。
一方、小規模であっても、防火地域内では必ず申請が必要です。
これらの条件は各自治体によって異なるため、事前に自治体の窓口や工務店へ相談し、設置可能かどうかや必要な手続きを確認することが重要です。
駐車場のサイズを決めるときのポイントについては、以下の記事をあわせて参考にしてください。
【関連記事】新築戸建ての駐車場づくりは慎重に?よくある失敗とサイズを決めるポイントを解説
引用元:建ぺい率制限|名古屋市
注意点②:固定資産税がかかる場合がある
建売住宅にガレージを後付けする場合、一定の条件を満たすとガレージ自体が課税対象(家屋)となり、固定資産税が課されることがあります。
税法上、課税対象となる「家屋」に該当するかどうかの判断基準は、土地への定着性と外気分断性を満たすかどうかです。
基礎によって土地に固定されており、屋根があり三方以上が壁で囲まれているガレージは建物とみなされ、固定資産税の対象です。
一方で、壁がなく柱と屋根のみのいわゆるカーポートや、ブロックの上に載せただけの簡易な物置など、土地に恒久的に固定されていない構造物は課税対象外となるケースがあります。
固定資産税額は、建物の評価額に所定の税率(多くの自治体では年1.4%)をかけて算出します。
そのため、ガレージを増設すると毎年の税負担が増える点にも注意が必要です。
評価額が150万円のガレージであれば、年間の税負担はおよそ2万1,000円(150万円×1.4%)程度となります。
引用元:
注意点③:広さと位置を慎重に検討する
ガレージが狭すぎると、車の出し入れや乗り降りがしにくくなり、使い勝手が悪化します。
また、将来的に大きな車に買い替えた場合、車種が限定されてしまう恐れがあります。
コンパクトカーを前提とした設計の場合、将来的に大型車への乗り換え時に駐車が難しくなるケースもあるでしょう。
さらに、1台分しかスペースを確保していない場合、家族構成の変化で2台目が必要になったとしても、後からの増設は容易ではありません。
ガレージを後付けする際は、将来のライフスタイル変化を見据え、余裕を持った広さで設計しましょう。
また、ガレージを設置する位置も慎重な検討が必要です。
ガレージを隣地境界線に近づけすぎると、民法で定められた50cm以上の離隔距離を確保できず、近隣トラブルの原因になる可能性があります。
建売住宅の注意点が気になるという方は、以下の記事をご覧ください。
【関連記事】建売住宅の注意点8選を購入・契約・引渡しの流れ別でわかりやすく解説
引用元:e-Gov法令検索|民法
【間取り例】ガレージ付き建売住宅
こちらの間取りの主なポイントは、以下の2点です。
- 中庭を望める、明るく開放的なLDK空間
- 玄関から直接水回りへ向かえる衛生的な動線とビルトインガレージの設置
主寝室と子ども部屋2室が効率よく配置されており、LDKを中心に家族が自然と集まりやすい間取りです。

リビングは中庭を望む開放的な設計となっているため、明るさと癒しを感じられます。
キッチンからも中庭で遊ぶ子どもの様子が見やすく、プライバシーを保ちながら家族がゆったりとくつろげる空間です。
玄関から洗面室や浴室へ直接アクセスできる動線により、外で汚れて帰宅した際も、すぐに洗えて衛生的です。
また、土間収納を経由し、車から直接室内に入れるため、アウトドア用品などの片付けもスムーズです。
ビルトインガレージは、雨の日でも濡れずに乗り降りができ、愛車を汚れから守るだけでなく、趣味のスペースとしても幅広く活用できます。
アサヒグローバルホームでは、建売の魅力を実際に体感できる見学会や、家づくりに関する個別相談を随時受け付けています。
間取りの工夫やガレージ仕様などを直接確認したい方は、「見学予約・建売物件のお問い合わせ」ページからお気軽にご相談ください。
まとめ:建売住宅にガレージを後付けする際は計画的な検討が必要

建売住宅にガレージを後付けする際は、法規制や敷地条件、費用面などを考慮して慎重に計画を立てる必要があります。
また、建ぺい率の制限内で計画することも重要です。
既存建物が建ぺい率の上限ぎりぎりの場合、新たにガレージを追加するのは困難になることがあります。
後付けガレージを設置する際は、事前に法的手続きや具体的なコスト面について入念に確認したうえで、慎重に計画を進めましょう。
アサヒグローバルホームでは、愛知県・三重県・岐阜県の東海3県で建売物件を多数ご用意しています。
当社の建売物件が気になる方は、「物件を探す」ページをご覧ください。
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この記事の監修
足立 克久
2005年アサヒグローバルホーム入社
入社後、宅建士、建築士などの資格を取得。
その知識を生かし、分譲住宅、注文住宅の契約を300棟以上担当。
現在は東海三県の土地仕入れ、分譲住宅の開発に携わりながら住宅を販売している。
